アントニオ・タブッキ:旅・見い出すための世界【最終章】

いよいよ、アントニオ・タブッキのインタビュー記事、最終回となりました。
全4回に渡って、お付き合いいただき有難うございます。
旅に魅せられたタブッキが、現在のイタリア、そして若者達のための旅について語っております。
第一章第二章第三章がまだの方は、そちらからどうぞ。

イタリア 『アントニオ・タブッキの見い出すための世界』

イタリアに戻られた時は、外国人の視点になっておられるのですか?
「物書きって言うものは常に異国の旅人なんじゃないでしょうかねぇ。観察者の視点と言うのは外側から向けられるものですから。ポツンと離れた所からね。物書きである以上、観察者であることは免れません。」

それでは、現在のイタリアなどはどのように映りますか?ベルルスコーニ的な国?
「国際紙でベルルスコーニ首相に対し非常に批判的なものがあるし、今や門外不出のはずの批判さえ聞こえてきていますよね。私の批判など、それらに比べたら最低限のものですよ。
イタリアと言う国について言うならば…物書きなのだから常に批判的であらねばね。国を批判するって言うのは、愛情故にのことなのですから。愛情を抱けば、向上してゆくものでしょう。
ベルルスコーニ首相に関しては、出現して以来ずっと常に私は批判的な立場にいます。どこにでも出没するピエロのような億万長者キャラですよね。ベルルスコーニ首相や、そのイタリアについて話しては大笑いするなんて良くないことだ。イタリア人としてね。侮辱的なことですよ。
ドイツも、そんな風になったことがありますよね。かつてはゲーテの国、哲学の国だったのに、わずか数年でヒットラーの国になってしまった。悪い例って言うのは簡単に真似ができ、それでどんどん進んでいってしまうものだし、良い例と言うのは努力と文化を要するものです。文明とは努力によって成すものでね。そうでなければ全ては本能に委ねられてしまう。劣悪なものには支配力がありますから。」

ゲーテや、イタリアにおける紀行作家タブッキ、また、ある時代の欧州の意識を形成したグラン・ツアーのような経験についての話等も出たことですし、アナロジーでもって本日のインタビューを締めてみましょうか。
例えば現在なら、若者の意識を形成するのに、どこでグラン・ツアーを行なえば良いでしょう?

「人の手によって創られ、奇跡的に保存され続けているものがある…新たなグラン・ツアーをエジプトのピラミッドから始めるのなんかどうでしょう。
ただ、意識を高めるには、自分の国よりも貧しい国へと行く必要があります。学ぶべきことは非常に多く、自分達の豊かさと貧しい国における欠乏を比べ熟考すべきことがたくさんあるでしょう。
戦争が行なわれていた国にも同じことが言えますね。もちろん、楽しい旅行ってわけにはいきませんよ。ネガティブでキツい経験となるわけで、2世紀前のグラン・ツアーのように文化や芸術とは無縁の旅になるのですから。ただ、そう言う所では若い人達が学ぶことは多いと思いますよ。」

[ 完 ]

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年12月09日

現在イタリアは、例年にない寒波で
毎日、零下となっております。
行きたい国は…ハワイかな…

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