国を捨てるイタリア人が増えている…

管理人が日本語を教えているイタリア人生徒の中で、たまに、「もう、こんな国(イタリア)から出てゆきたい!」と言う人がいるんです。
やはり日本を旅行して、色々と便利な面を見ちゃうと我慢できなくなるようで、私に向かって、「どうして(イタリアに)来たんですか…?」と言った生徒もおりました。
…ど、どうして、来ちゃったんでしょう。

ローマ 『国を出てゆくイタリア人、ここ4年間で100万人』

フィレンツェ出身のアンドレア・ボアッティーニさんは彗星の研究者で、すでに15天体にその名が付けられている。
しかし、その研究を続けるにはアメリカへと移住しなければならなかった。2007年よりアリゾナ州にある『Lunar and Planetary Laboratory』で天体観測を行なっている。
アンドレアさんのケースは決して珍しいものではない。2010年現在、諸外国に移り住んで働くイタリア人が山ほどいるのだ。
どのぐらいか?
400万人以上。2009年時に比べ11万3千人も増えている。

世界に暮らすイタリア人
Fondazione Migrantes(移民協会)による『2010年度世界に住むイタリア人に関するレポート』は全510ページからなり、海外に暮らすイタリア人の写真等も掲載されているのだが、同レポートによればイタリア人の海外への移住が増え続けていると言う。
詳しい数字をあげると、2010年4月8日現在で海外に正式移住しているイタリア人は4,028,370名(イタリア国内在住者の6.7パーセントに相当、また、イタリア国内に移住してきた外国人の人数にも相当する)。前年に比べ11万3千人も増えており(移住先での出産が影響している)、また、2006年時に比べると100万人の増加となる。
それでは、どこの国に住んでいるのか?
ヨーロッパ(55.3%)、アメリカ(39.3%)、オセアニア(3.2%)、アフリカ(1.3%)、アジア(0.9%)となっている。
もう少し詳しく言うならば、アルゼンチンはドイツよりも弱冠多く(両国とも60万人以上)、スイスには50万人ほど、フランスには37万人で、ブラジル27万3千人、オーストラリア・ベネズエラ・スペインには10万人が暮らしている。

イタリア人、そして海外出生者
海外に移住したイタリア人のうち半分以上が未婚、半分が女性で、30%以上はイタリア国外で生まれている。また、12万1千人が市民権を取得した後、戸籍登録をしている。
未成年者は全体の6分の1で、75才以上が18.2%とそれを上回っている。
海外では移住して市民権を獲得したイタリア人よりも、その土地で生まれた者(移住者の子孫)の方が多く、宗教団体『Padri Scalabriniani』の統計によれば約8千万人いるとされている(ブラジル2千5百万人、アルゼンチン2千万人、アメリカおよびフランスがそれぞれ1千780万人、カナダ150万人、ウルグアイ80万人、ドイツ70万人、スイスとペルーがそれぞれ50万人)。

イタリア国内での移住
移民協会のレポートはイタリア国内における移住についても触れ、イタリア国内外への移住や出帰国、一時的移住か長期滞在かなどについて検討している。総計して40万件、つまり150世帯に1件は移住していることになる。

頭脳の国外流出
先のアンドレアさんのような研究者の移住について国勢調査レベルの数字はないのだが、2千人が『Davinci データベース』に登録されており、世界各国の主要大学で働いている。そのうち僅か25%がイタリアへの帰国の意思を持っており、残りは海外での生活に満足していると答えているのだ。
トップ・イタリア人科学者の名簿による、海外で働く優秀なイタリア人科学者が多いと言う結果も偶然のものではないわけだ。

帰還する頭脳
2001年、イタリア教育省ではイタリア国外に流出した頭脳を帰還させるプロジェクトを発表した。
その結果は?
たいした結果は出なかった。
《研究者460名がなんとかイタリアへ戻されたものの、イタリア国内の大学から正式に招聘されたのは50名に過ぎなかった。頭脳は流出し続け、特にイタリア南部からが著しく、例えばプーリア地方を例にとると、年間2万3,500名の大学卒業者のうち45%が地元を離れ、そのまま帰ってこない。》

イタリア語学学習への予算カット
外務省による資料を見ていると自慢できる点もある。
世界各国でイタリア語を教えているのが23,988コースあり、総計39万3,897人が学んでいるのだ。
しかし移民協会のレポートには次のようにも記されている。
「ダンテ・アリギエーリ協会(イタリア語とイタリア文化の普及を目的とした、イタリアでも最も歴史と由緒ある組織。現在世界150カ国に拠点を置く)への予算が年間60万ユーロに減額され  たと言う事実がスキャンダルとされたのは当然のこと。支援として全くもって不適切であり、ポルトガルのような小国の文化的投資予算とも比べ物にならない。もちろん、ドイツ、イギリス、スペイン、フランスと比べたら話にもならない。」

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年12月02日

でも本当、イタリアに住んでると
親の七光りでもない限り…厳しいなぁって気になります。
なんでも良いから管理人に励ましクリックPrego

ブログランキング・にほんブログ村へ人気ブログランキング 海外ニュース ブログランキングへ

イタたわニュース関連記事
イタリア人が抱える恐怖
もしも外国人がいなくなったらイタリアは…
イタリア若者、親離れ事情
派遣切りで皿洗いに殺到、3Kに挑むイタリア国民


Pocket

4 Responses to 国を捨てるイタリア人が増えている…

  1. Future Guy 2010年12月3日 at 5:17 PM #

    La Chiricoさん、ご無沙汰です。実は僕はイタリア移住希望者なのですが、こういう記事を読むと考えさせられますね~(とても嫁には読ませられない)。イタリアに住んでる僕の知人(日本人)もイタリア人のいい加減さに嫌気が差しているようですし。夏にスイスに行ったのですが、スイスからティラーノというイタリアの町について思ったのは、今降りたスイスの鉄道は駅も電車も美しい、その前にあるイタリアの鉄道の駅と電車の有様はなんだ?「スイス、いいかも」と思ってしまいました。しかし、まぁ、いろいろ難点もありますが、それでもイタリアを謳歌してるLa Chiricoさんが羨ましいです。頑張ってください。

  2. chirico 2010年12月5日 at 7:45 PM #

    おっ、Future Guyさん、ご無沙汰してます。お元気でしたか?

    イタリア移住希望があるんですか…。
    う〜ん、色々と事前に知っちゃうと気力は萎えますよねぇ、この国は。
    なんかねぇ、結局、『愚痴ってる』のが一番好きな国民なのかな〜って思うことがあります。
    色々な事を複雑に訳分かんなくして、それで、「どうにもならない」って愚痴ってるのが、もしかしたら好きなのかな…と。

    スイスはね、私もびっくりしました。こんなに近いのに、こんなに違うもんかと!
    でも、そのスイスに近接してるだけあって、イタリアも北部の方がちゃんとしてますよ。
    私は中部住まいなんで、たまに北上すると駅のトイレが綺麗なだけで感動しますから。

    私はここ何年間か引きこもってたんで、そろそろイタリア国内をウロウロして、生で『謳歌』したいですねぇ!

  3. f.panda 2010年12月6日 at 8:56 PM #

    Chiricoさん、雨の日が多くてうっとおしいですね。

    私にはティーンエイジの子供が2人いるんですが、大学は海外に行くようにと、日々しつこく言ってるんですよ。
    今のイタリアで大学を出ても、未来はないですからねぇ・・・

    イタリアの文化研究費は仏の100分の一とかいう話も聞きました。
    これは充分ありえますね。

    そしてChiricoさん同様、私の日本語レッスンに来る2人の若者は、イタリア脱出を目指し日本語特訓中です。
    「もうこの国にはいられない!」と。

    Future Guyさん、もう一度よ~~~く考えた方が宜しいかと思いますよん・・・

  4. chirico 2010年12月7日 at 11:12 PM #

    f.pandaさん、こんにちは!
    ホントに、洗濯できなくて困りますよね〜!!

    イタリアの大学は、例のUniversita breveも評判が悪いみたいですね。
    欧州諸国に合わせて就学期間を短くしたのに、今度は卒業生らの知識・能力が即戦力にならず、企業が採用したがらない…とか聞きました。

    国外脱出をねらって日本語学習しても、語学能力だけで勝負するとなると、かなりの高レベルが求められてしまい、結局、何かもう一芸ないと日本での就労も難しいようですねぇ…
    (いや、それはイタリア移住希望の外国人も一緒ですが)

    過去10余年ほどはグローバル流行りで、海外流出組も多かったようですが、やはり、これからは時代の流れ自体が変わりそうに感じます。

コメントを残す

スパム防止の為、計算に答えて下さい * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

Top