イタリアのセクハラ事情

イタリア女性と言えば、強く、逞しく、開けっぴろげで、よく喋るイメージがあるのですが、職場でセクハラにあった時は固く固く口を閉ざすようであります。
今回は統計調査の数字が過去3年間と、2008〜09年の1年間の2種類が使われており、少々わかりづらいもんですから、2つのイタリア大手新聞の記事をそれぞれ訳してみました。
1番目の記事の方が、わかりやすい…かな。

ローマ 『女性84万2千人が性的なゆすりを…』

Istat(国立統計研究所)が過去3年間に行った統計調査によれば、22万7千人(1.6%)の女性が精神的苦痛を負っていると言う。また、警察に被害を届け出た女性は、ほとんど皆無だと言う。

雇用の際に生じるセクシャルハラスメントが非常に広範囲に渡っており、ほとんど闇に包まれた状態だと言う。就職や昇進、解雇を免れるために、女性がセクハラ行為を受けているのだ。Istat(国立統計研究所)が発表した職場でのセクハラおよび雇用を引き換えにした性的行為の強要についての統計資料を読めば、それらが理解できる。
今までにセクハラ被害を受けたことのある15〜65才の女性は84万2千人(訳者注:1年間の統計です)。
5.9%が職場で被害を受け、1.7%が雇用の際に、同じく1.7%が解雇を免れるため、昇進するためと答えている。
全体では、求職の際に性的行為を要求されたことがあると答えた女性は、約50万人で、3.4%に相当する。

Istat(国立統計研究所)が過去3年間に行った統計調査によれば、22万7千人の女性(1.6%)が仕事を引き換えに性行為を強要されたことがあり、うち14万人(1%)が求職の際に、6万1千人(0.4%)が雇用された際に、6万5千人(0.5%)が解雇を免れるため、昇進のためと答えている。

セクハラ被害者の特徴としては大半が高学歴の女性であることで、学歴が小学校卒で被害を受けていた女性は同調査が始まって以来では1.8%、過去3年間では0.1%となっている。

また、75.9%はセクハラ被害は1名の犯人から1回だけ受けたと回答しているが、頻度については引き換え条件の内容により多岐に渡っている。
雇用を引き換えにしている場合は19.1%が同一犯人から1回以上の被害を受けており、申し出をされたことが1回以上あると答えた女性は、求職の際が16.6%、昇進もしくは解雇を免れる際が43.3%となっている。

被害者が身近な人間であると言うことが、犯人にとって有利に働いていることも顕著である。
セクハラ被害にあった際に、81.7%の女性が職場で誰にも口外していないのだ(過去3年間の調査では80.2%)。
被害者の18.3%のみが今までに口外したことがあると答えており、相談相手としては特に同僚(10.6%)が多かった。

そして、警察に被害を届け出た女性は、ほとんど皆無だと言う。
最も多い理由が《たいしたことじゃないから》と言うもので28.4%、《自分だけで、もしくは家族の助けを借りて解決したから》が23.9%、《警察は信用できない、どうせ何もしてくれないから》が20.4%、《訴え出た際に悪く思われるのが恐い》と言うのが15.1%。

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事: La Repubblica 2010年9月15日

ブログランキング・にほんブログ村へ人気ブログランキング 海外ニュース ブログランキングへ

そして、こちらが2紙目。
一体、いつの数字なのかが少々分かりづらいような気がします。単純には読みやすいんですけどね。

ミラノ 『職場でのセクハラ、被害女性の8割が口外せず』

コールセンターであれオフィスであれ、女性にとってはさほど変わりない。
ベルトコンベアーの前で働く工員から管理職まで、結果は似たりよったりなのだ。
つまり、いまだに職場と言うものは、男性にとって性的な夢想や破廉恥で卑猥な申し出を解放するのに最適な場であり、女性にとっては被害を被り、(稀に)訴えなければならない場なのである。

Istat(国立統計研究所)によれば122万4千名の女性がセクハラの対象となり、その内容は幅広く、電話攻撃からレイプまであると言う。
そして、それが犯罪なのだと言う意識はあるものの、被害者の80%が警察へ被害届も出さず、また、誰にも口外さえしていないのである。

セクハラ被害を受けたことのある女性は老若とも(魅力の有る無し、被害の有る無し、なんら区別はないので)、働く女性の8.5%相当で、現在、求職中の女性も含めている。
Istat(国立統計研究所)の研究員マリア・ジュージ・ムラトーレさんは、次のように説明している。
「イタリアでは職場でセクハラされた女性の数は、2002年からほとんど変わっていません。1990年代後半から被害者は減っています。以前は今より30%増しでしたから。」
これは1996年に女性への暴力に関する法律が制定されたためで、統計学の専門家らは同法によって《セクハラ行為を抑制するような社会的風潮とマスコミの関心を育み、沈黙は打破された》と評している。

同調査はカルファーニャ機会均等大臣からの要請で行われたもので、セクハラ被害者数の第1位は公民共に事務職員として雇用されている女性で、その40%が被害を受けていると言う結果だ。
第2位が店頭販売員などの商取引関係で、また、セクハラの内容はバリエーションに富んでいる。先のムラトーレ研究員は、
「一番ソフトなものから、本当の性被害までありますね。」と言う。
そして、セクハラ行為は雇用や昇進と引き換えの脅迫になっているのだ。この点について弁護士のグラツィア・ヴォーロ氏が声を大にしている。
「雇用と引き換えに行為を強要することは、恐喝しているのと同じです。残念ながら現況は非常に困難を伴い、セックスにつながる現象となっています。私は『形式的、統計的』な女性の問題だとは思っていません。つまり私が言いたいのは、第一に、セクハラとはある一線を逸脱した者の行為であると言うこと。第二に、女性はこの手の経験を避けるための方策を取ると言うことです。」

Istat(国立統計研究所)の調査の中でも印象的な数字がある。
例えば、雇用と引き換えに繰り返されるセクハラ行為(全体の43%)は、毎日の慣例となり、職種も多岐に渡っている。
《セクハラ被害を受けた女性の14.3%が不動産や情報産業で働いており、10.3%が工場で、18%が技術分野、7.8%が法律関係者や経営者、管理職として知識産業や科学分野、特殊専門分野で働いていた。》

しかしながら、セクハラ行為への協調意識もある。
訴え出る被害者の割合は低く、数ある理由の中でもヴォーロ弁護士は『恐怖』が強いと言う。例えば、『悪く見られること』への恐怖など。また、回答者の9.3%は『決心できない、恥ずかしい、自責の念』と言う理由から、誰にも口外せず、なかったことにしようとしている。
無力であると言う意識が、いわゆる『慣例』と呼ばれる波及効果を生んでいるのだ。
しかしながら、今回の調査での回答者は、
《警察に対する不信感、何もしてくれないと思う》と答えている。
被害者の20%以上が、こう答えているのである。

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事: Corriere della Sera 2010年9月16日


最近、アフリカ系の男性諸氏まで
道ですれ違いざまに
「Ciao, Bella!(やあ、べっぴんさん)」って
イタリア男性のように囁くんですが…
郷に従ってるんでしょうかね。

囁かないで、クリックPrego

ブログランキング・にほんブログ村へ人気ブログランキング 海外ニュース ブログランキングへ

イタたわニュース関連記事
イタリア若者、就職事情 − 仕事なし人生 −
給料払え!採血ストで死亡
夫が妻に言わないこと…
愛人?パヴァロッティ未亡人が!?:ボローニャ市長横領事件


Pocket

8 Responses to イタリアのセクハラ事情

  1. Future_Guy 2010年9月17日 at 7:47 AM #

    こんにちは!
    そうですよね。
    「Ciao, Bella!」もイタリア人に言われるからこそ、
    ここはイタリア!と感じるのであって、アフリカ系の
    人に言われても「はぁ?」って感じですよね。

  2. chirico 2010年9月17日 at 6:39 PM #

    こんにちは…って、あれ?Future_Guyさんって女性だったんですか!?

    私はねぇ…イタリア人でもアフリカ人でも嫌かなぁ。
    あの、耳元でねっとり囁かれるのが、どうもねぇ。
    冷静に考えると、褒められてるはずなんですけどねぇ。

  3. とらん 2010年9月18日 at 1:02 AM #

    ciao〜chiricoさん。一昔前は日本でもよくあったようですがセクハラとゆうかパワハラとゆうかひどい話ですね。
    そういえば「土産もんのあの CocaColla みたいな文字なんですか?」て聞いたら「そこのかわいこちゃん♪みたいなもんで私も最初は喜んでたけどあいさつみたいなもんですよ。」てガイドさんがおっしゃってイタリア人ぽいな〜って思いしたね(´▽`)

  4. chirico 2010年9月18日 at 7:17 AM #

    とらんさん、そう言えば、さすがに東洋系の男性が言うのを聞いたことがないですねぇ。
    しかも考えてみれば、1人で歩いている時にしか言われないから…おそらく、日本人男性なんかは聞いたこともないんじゃ…。

    でも、言ってくるのって大体、しょぼい感じのオヤジなんですよ。
    モンテゼーモロなんて、絶対に言わないだろうなぁ。

  5. ponta 2010年9月18日 at 12:55 PM #

    え~chiricoさんも女性だったの?
    冗談です。何処でも眠れるのはすごい。

  6. Future_Guy 2010年9月20日 at 9:51 AM #

    遅レスですが、Future_Guy、身も心も男です。イタリア男がするならさまになるのかなぁ、なんて思ったわけです。実際、囁かれる側からすると、キモイということでしょうか。考えてみれば、キモイおやじに耳元で囁かれた日にゃ。。。納得です。

  7. chirico 2010年9月21日 at 7:00 AM #

    いやいやpontaさん、さすがに最近は引きこもってるんで、戸外で寝なくなりました。

  8. chirico 2010年9月21日 at 7:03 AM #

    大変失礼しました、Future_Guyさん。

    ちなみに男性の場合は、アフリカ系男性とすれ違った際には「Hey,Capo(よっ、だんな!)」って言われるんですって。

コメントを残す

スパム防止の為、計算に答えて下さい * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

Top