菅首相が伊誌に激白「すべて私の責任」

菅首相ってイタリアのロマーノ・プロディ前首相と親交があるそうで、管内閣が誕生した時に、その辺のエピソードに触れていた伊紙もあったんですよ。
そして、いまだ記憶に生々しい参院選敗北…と言うことで、イタリア人記者が管首相へ独占インタビューをしたようですぞ。
記事を掲載したのは左派系で有名な出版社なわけだから、まぁ当然…なのかな。

東京 『東京デカダンス − 菅直人首相との対話 −』

完全に間違えた。理解してもらえなかった。すべて私の責任だ。だが、今は再スタートの時…。
日本の首相、菅直人(63才)が激し、また同時に、決して諦めないと決意している。
首相就任から1ヶ月弱、鳩山由紀夫前首相の『ぶれ』に幻滅した有権者らの支持を取り戻すための紆余曲折の果て、癇癪を起こしやすい故に『イラコンド菅(訳者注:イラコンドは “ 怒りっぽい ” の意の伊語。“ いら菅 ” のことですね。)』と呼ばれる菅首相にとっては、他人のツケを引き受けるのは承服しがたいことだ。

『冷や飯食い』時代が続いた後、長く濃い政治キャリアを経て(激動期である。1996年の薬害エイズ事件の処理にあたった際には官僚に、汚染された血液製剤を血友病患者らへ流通させたことを認めさせ、年金未払いにより民主党代表を辞任した後は、空海和尚の足跡をたどり四国八十八カ所巡りを始めた。)、今ここでタオルを投げるわけにはいかないのだ。

参院選での開票結果は無情なものだった。
1年前の衆院選で勝利し、長きに渡る野党時代を経て政権を握った民主党(イタリアの『オリーヴの木連合』日本版)の敗北を示す結果となった。
しかし、菅首相は踏ん張り続け、かつてない機会を、己の実力を有権者に示し、日出ずる処の『左派勢力』を再び立ち上げる、この機会を維持し続けたいと望んでいるのだ。
選挙システムによれば、それが可能なのである。参議院で過半数の議席を獲得していなくても、政権を取ることはできるのだ。

かたわらに寄り添う伸子夫人は人生40年の伴侶であり、『特別相談役』だ。
「まず自分は偉大な有権者」と強調しながら、「いずれは総理大臣か」とも言われる伸子夫人はこう話す。
「私を納得させられないようなら、他の有権者のことも納得させられないってことを、よく分かってますよ。国会やTVでの討論が上手いのは、私が家で鍛えてあげているからです。」
伸子夫人はこう言いながら、菅首相の腕を握った。それは結束を意味し、また、デリケートな愛情をも意味している。
お辞儀と極端なまでの辛抱、そして言わざる国…この日本において感情の機微を、特に人前で表す精一杯の表現なのだ。

7月11日の日曜日。夜8時。
管首相夫妻と共に開票速報を見ているジャーナリストは、私だけだった。
首相は見るからに不機嫌そうで、予想されてはいたが、敗北の大きさに、やや愕然としているようだった。
他人のツケを支払わされているのだ。
沖縄島民を裏切り(日本史においては初めてと言うわけではないが)、オバマ大統領からの米軍基地在留を受け入れ、辞任へと追い込まれた鳩山由紀夫前首相。
その『ぶれ』と『泣き笑いピルエット』のせいで支持率が下がってしまったのだ。
今や新たな連立を模索するか、生み出さなければならないのだが、管首相にとっては、それほど気がかりなことではない。
「日本の二大政党制は、まだまだ未熟だね。ならしてゆくには時間がかかりますよ。そうしてる間にも政権を取り、法律を作っていかなきゃならないしね。その時その時の、合意できる政治家と一緒にね。」

そして、管首相が幾度となく対面し、親交を重ねたイタリアのロマーノ・プロディ前首相から言われた言葉に思いを馳せる。
「難しいのは権力を手に入れることではなく、それを維持することなのだ。」
つまり、中断、混乱、妥協を経て、イタリアで良く使われる単語を日本の政界用語に加えるならば、『ころころ変わる与党』と言うところか。

「ええ。我々には逃げ道はないですね。新政権ができるまで内閣を空白にするのも、単純に辞任してしまうのも、有益だとは思えないし、無責任なことに思えますね。
この国は、そんなものを求めちゃいない。統治されることを求めてるんですよ。目の前に並べられた問題が解決されることを求めてるんですよ。我々がやってやろうじゃありませんか。責任持って、時には他の政党の支援も得ながらね。」

そして1948年(?)から昨年まで、ほとんどずっと政権を取り続けた黄色い鯨こと自民党の返り咲き。(訳者注:イタリアの中道右派政党『キリスト教民主党』の別名が『白鯨』であることから、伊紙では日本の『自民党』のことを「東洋の…」と言う意味をこめて黄色い鯨と呼んでいる)
「連立って話じゃなくても、悪いことじゃないでしょう。例えば、消費税引き上げについては、自民党だって賛成なんですから。むしろ、与党内での方がさんざん非難されましたがね。」
有権者も、また然り。
消費税引き上げを口にした瞬間、どのようなことが頭をよぎりましたか?
現職の首相であれ、誰が言ったにしても、体面だけでなく、政治生命に関わることなのだ。(編集部注:1979年、当時の大平首相が消費税増税を提案したが、選挙演説中に心臓発作で倒れ、その後、亡くなっている。)
「自分が間違っていたと言うことは認めます。後の祭りですが、言う時期を誤ったって思いましたね。でも、マスコミかも有権者の皆さんも誤解しているんですよ。すぐに明日から消費税を上げようなんて、思ったこともないですよ。それどころか、3年後の次の衆院選までは増税しないって、何度も言ってたんですから。ただ、政治や経済、社会等あらゆる力を集結し、皆が決断できるよう、真剣に話し合ってゆこうって言っただけで。私としては、必要不可欠な決断です。」

しかし、なぜ今だったのか?
沖縄問題では、あのマニフェストの裏切り(沖縄から基地撤退)や、その他の不履行(子供手当や高速道路無料化、農業の戸別所得補償制度など)で、かなりの支持を失っていたでしょう?
「多分、タイミングを間違えたんでしょうね。ただ、私は財務大臣としての貴重な体験を経て、いかに厳しい状況に置かれているかと言うことを承知した上で首相になったんです。
トロントのG20では、他の国々からギリシャ並みに見られて、憂慮されていることを感じました。笑いごとじゃないんですよ。日本の赤字額は工業諸国の中でも上の方で、イタリアよりも高いんですよ。何が何でも食い止めねばならないし、消費税引き上げは重要な要素の1つなんです。」

野党や有権者から来年度の歳出に関して、どのような考えなのか十分に説明がなされていないと言われていますが。例えば、国民新党や社民党らは、社会保障費にだけ使うならば支持してもいいと主張していますね。
「まさにそれなんですよ。私達が考えているのは。有権者の皆さんに理解していただくには、時間が足りなかったのが悔やまれます。
マニフェストが実行されていないと言われてますが、私はそうは思いませんね。高速道路無料化も、子供手当の支給も始まっている。月1万3千円が分け隔てなく、外国人家庭にも支給されていますよ。残念ながら年内開始を予定していた子供手当の増額については延期せざるを得ませんが。それだって、可能になったらすぐ始めますよ。各家庭への支援が第一ですし、少子化や高齢化社会の問題解決には、それが基本であると考えていますから。」

日本の再生を信じている者の多くは、経済のことだけを考えているわけではない。現在の段階では、数字が逆を示していてもだ。
ある資料がひとつの傾向を示している。
長いこと増加し続けていた自殺率(2009年度は32,747名、1日90名、20分ごとに1名が亡くなった)が、今年度の6月までの間は明らかに減少傾向にあるのだ。
また、この10年間で初めてのことだが、新たに起業した会社の数が、倒産件数を上回っている。
ギリシャの財政破綻の二の舞から遠ざかるには、もうこれで充分なのだろうか?

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年7月16日

オリジナル記事に書かれていた『イラコンド管』…
どうしてシンプルに『Ira Kan』ってローマ字で書いて、注釈をつけるわけにいかなかったのかなぁ…と思いつつ、そう言えば、昔々、某イタリア紙に小泉首相についての記事が載った時、
《小泉首相のニックネームは “ Hentai ” である…》と書かれていたことがあったのを思い出しました…。
ローマ字って、けっこう危険なのかも。

ちなみに今回もオリジナル記事の
見出し下には “ Paoto Kan ” と記載されてまして…
間違いは字だけにしてよねクリックPrego

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4 Responses to 菅首相が伊誌に激白「すべて私の責任」

  1. MIS 2010年7月21日 at 9:10 AM #

    お久しぶりです。バタバタしてます。

    管首相じゃなくても他の誰かがなったとしてもそうせざるを得ない状況ですよね。
    つまり、誰がなっても同じ……っていうのは言い過ぎかもしれませんが、海外のように決断する民族ではないのでしょうがないです。
    非常に論理的に進める事が出来ないので、その辺は国民も分かっているのでしょう。
    消費税は上げざるを得ないです。そうしないと国家破産です。
    放っておいても破産、一時の対策として消費税を10%に上げたとしても将来は破産……という悲劇的スパイラルに突入してます。
    最低でも20%までは上げないといけないですね。

    まあしょうがないでしょう。日本人はこんなことぐらいでへこたれませんから大丈夫です。元々清貧を誇りとする国民ですから(笑)
    戦後のあの勢いがあれば、言う事ないですが。

  2. TOLOS 2010年7月21日 at 10:27 PM #

    自責の念をいだくのは日本的か
    ベルルスコーニなら
    「理解しないのかい、僕がこんなにイタリアに人生を捧げているのに」って言いそう
    まぁイタリアの消費税20%に比べればすごく優秀な国、なんて思っちゃいます。
    イタ帰りは比較対象が甘過ぎてだめか。

  3. chirico 2010年7月22日 at 6:52 AM #

    MISさん、お久しぶりです〜。

    イタリアだと、すでに消費税20%なんですけど、食品なんかの生活必需品には、そこまでかけられていないんですよ。
    そのせいか、日本に帰国した時にスーパーなんかに食材を買いに行くと、けっこう高くてビックリしてます。
    家で作って食べてる分には、イタリアの方が断然安く感じますねぇ。

    まぁ、20%までかけるにしても、その辺をちゃんと考慮すれば良いですけどねぇ。

  4. chirico 2010年7月22日 at 7:02 AM #

    ベルルスコーニ首相も、いよいよ支持率が40%を割って、うそぶいてばかりもいられなそうですよ〜。

    イタリアから日本へ帰って(生活の利便性に関しては)なんでもすごっく良く感じるじゃないんですか、きっと!

    話は違うんですけど、一昨日あたり、アルド・モーロ夫人がお亡くなりになったニュースが流れてたんですよ。
    TOLOSさんのブログ記事…シンクロニシティでしょうかね。

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