イタリアで若者と言えば、『Bamboccioni(バンボッチョーニ)』等と揶揄され、由々しき社会問題とされております。
このイタリア語、
「それなりの年齢になっても親元を離れず自活しない子供達のこと。なかには親に養われ続けている者もいる」
…なんて意味なんですが、じゃ、自立できるように高齢者への年金を削って若者への援助金にしたらどうだ…なんて案を出してた大臣もいるほどでして。
実際のところは、援助金出す前に、仕事を回してくれって感じのようです。
イタリア 『生まれてこのかた仕事なし:若者、そして満たされない空白』
満たされない表情。
理性をそなえた人間でも、自分の中が空っぽになってしまうような経験。
答えの出ない無慈悲な方程式。
若者にとっての失業の時代、仕事が何もないこの時代とは、渡りきれるかどうか…と言う砂漠のようなものだ。
なんの助けも期待できない無情な試練…。そんな無謀な挑戦をしなければならない若者達が、当紙へと投稿してくれている。
スプーン・リヴァー詩集に登場するような、仕事にあぶれ、落ちぶれてゆく危険をはらんだ多くの者達と言うのは、新システム大学卒業者や、高卒、専門学校卒の若者達なのだ。
大学で環境リスクマネージメント等を専攻した若者達が、実社会では何の役割の与えられていない。
仕事を習得し、物流のエキスパートになった若者達が、最初の大打撃で市場から放り出され、その後は誰からも顧みられないでいるのだ。
店員もエンジニアも、皆、同じ運命を分かち合っている。
一度も仕事に就けない者もいれば、32種類の職種を渡り歩いた末にドッグシッターになった者もいる。生まれてこのかた、たった2日間しか仕事に就けなかった者もいれば、それさえできずにいる者も大勢いるのだ。
満点の卒論でもって卒業し、4カ国語を操る能力証明を持つローマの若者が、無報酬だった研修期間や、無駄に終わった多くの研究、イタリアを離れての将来設計などについて次のように語った。
「履歴書を10ヶ所に送りましたが、どこからも回答はありません。9月にはイギリスに移り住む予定です。イギリス政府から支給された奨学金で修士研究をします。この奨学金は大学の授業料だけではなく、年間6千ポンド(約80万円)も支給されるんです。」
ガソリン代の払い戻しも無し
イタリア北部トリノ市のシモーネさん(24才)からの投書。
「中学を卒業した後、ある専門学校に通ったんです。2年間、いくつかの企業でも働きました。この不況になってからは、仕事は全然見つかりませんね。ある企業の研修期間中に専門コースの講習を受けたんですが、職場では講習プログラムに沿っての教習の代わりに、関連実務として、3〜4週間、部品生産をさせられました。
そして最終的には別の人間が私の見習いポストに就くことになって…。
自費で払っていたガソリン代50ユーロ(約5,500円)も支払われませんでした。」
スーパー店員にスーパーなし
失職中のレジ係の若い母親(高卒)は、ブレシャ市から投稿だ。
「もう1年以上、スーパーのレジ係の仕事を探してるんです。去年、レジ係として働いていたスーパーは、売り場縮小のため従業員を削減してしまいました。私は子供がいるもんですから、いつも子供のいない人や独身の人に負けちゃうんですよ。もう落ち込んじゃって、すぐにこの状態から這い上がれそうにはありません。」
エンジニアの資格だけではダメ
ヴェローナの30才男性は、もう半年以上前から求職活動をしている。
現況を吐露してくれた多くの若者たち同様、まるで履歴書を読みあげるように、今までの経験を語ってくれた。
「オランダの大学で卒業論文を作成してから、ボローニャ大学の電気通信エンジニア科を卒業しました。」
また、その後、契約派遣社員として働いていたが、
「残念ながら契約更新にはなりませんでした。1月から求職活動中です。ベルリンで1ヶ月過ごして、ドイツ語にも磨きをかけたんですがね。現在の目標は、イタリアから移住することですね。」と。
修士課程を卒業し、とりあえず店員に
学生から職業人への切り替えと言うのは常にスムーズには行かないもので、理解しがたい方向へと進むものである。
ナポリからは、国際的な修士課程を『最高点で卒業』したと言う若い男性が投書してくれた。
1年間、非常勤講師を無給で務め、現在は、携帯電話ショップの見習い店員(朝9時〜夜8時勤務)募集の履歴書を、昼休みのマクドナルドで書いていると言う。
給料として、いくら貰えるのかも分からないのだと。
研究に年齢、性別等の条件と能力
大学の化学工学部を卒業したサレルノ市の女性が、イタリアでの研究現場の実態を明かしてくれている。
「博士号を持っていて、大学の研究室で5年以上働きました。仕事は朝の9時から夜の9時までで、ただ酷使されただけでしたが、私は自分の情熱のためにやってましたね。
私がやっていた研究は国から認められていなかったんですよ。義務と言う点では、私達はどの角度から見ても仕事人で、権利と言う点では学生みたいなもんなんですよ。
なんの未来もない大学は辞めて、1年前から求職しています。履歴書は山のように送ったんですが、面接したのは3回だけでした。私のキャリアについては評判が良かったんですが、なんのフィードバックもありません。」
そして、ある疑問が浮かんでくるのだと。
「選考の際に年齢や性別、出身地など、おもだった条件だけが考慮されて、能力はまったく評価されないんですよ。」
コンクールで優勝したって意味ない
次はパドヴァ市からの投書。このイタリアを統治している政府が、乏しい先見の明でもって大学システムを変え、卒業までの期間が短くなった新大学システムの中で卒業した女性からである。
「去年、地方公共団体が主催していたコンクールで優勝して、契約社員名簿に登録されたんですよ。7ヶ月も経ってから、たった3ヶ月(3年じゃないですよ!)の契約で働きました。生活費の足しにはなりましたけどね。もしも来年、また同じコンクールで優勝しても、もう働く気はありません。
地方公共団体の臨時雇用予算をカットした政府には感謝しなきゃ…。私から働くチャンスを取り上げるぐらいなら、何百万人もいる脱税者を探しに行けばいいじゃない。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年6月2日)
イタリアの大学&就職について、詳しくレポートしてるブログ記事がありましたんで、興味のある方はどうぞ。
イタリアの若者が出て行きたいような国へ、
移住して来てしまった管理人って…
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うわお!
今気付きました。ブログご紹介いただきありがとうございます。
後半が全然進んでません。ごめなさい。
でもねえ、各学部ごとの就業率を眺めてるだけでこれまた暗澹たる気分に。。。
筆が進まないのですよん。
や、頑張ります。
あっ、いえいえ、後半を催促したかったわけじゃあないんですよ、noelさん(ニヤリ)。
…でも、これで、私を含めて後半を待つ読者が、もう少し増えたことでしょう(ニヤリ、ニヤリ)。