不況で主婦売春が増加…

世界的な不況脱出をめざし、イタリアでは『Manoobra(マノオブラ)』なる財政立て直し案が発表されました。
公務員の採用を抑え、閣僚・官僚の給与カット、医療費の圧縮などなど(詳しくは、こちらをどうぞ)が挙げられてますが…
早くなんとかしないと、ホントにイタリアは大変なことになってしまいます。

パドヴァ 『不況でマンマが売春婦に』

イタリア北東部パドヴァ県リメーナ市。
「以前は、養豚場の作業員をしてたんですよ。だから、今、やってる仕事だって大した違いはないってことでしょ。」
ダリアさん(仮名)がトスカーナ地方独特のブラックジョークでもって、困難な状況を茶化してみせた。
見た目は30〜35才ぐらい。パドヴァ県在住で、数ヶ月前から1日おきにリメーナ市のサント通りに車を止め、客待ちをしていると言う。
この1年の間、不況に対抗する手段のひとつとして、通りに立つことを選んだイタリア人女性4〜5名のうちの1人が、このダリアさんなのだ。

新たな現象である。現在のところはリメーナ市だけの話だが、偶然の出来事ではないのだ。
つまり、このパドヴァ県の工業地区で身体を売ったことのある女性と言うのは、危険にさらされ、この仕事に就いた者達なのだ。
リメーナの町に『取り立ての厳しいショバ』はない。
ここでのみかじめ料は、ふざけてるかと思えるぐらい大したものではないのだ。
自分は自分、人は人なのである。

リメーナ駅内に常駐し、各通りを監視している警察官らによれば、世界最古のこの職業に新たに『エントリーする』イタリア人女性が、毎晩、3〜4名はいると言う。パドヴァ県の売春史においては新たな現象だ。
1990年代半ばには、1回の手入れで捕まる売春婦らは20〜25名ぐらいで、特に外国人女性が多かったものだ。
現在は、『売り』をするのは7〜8名と言うところで、ルーマニア人が2名、アルバニア人1名、ウクライナ人1名に、ナイジェリア人が2名。そして、イタリア人が数名。
買春した客側にも罰金刑を科すと言う市長案は、大した効果を生み出しはしなかった。
どうしても金が入り用となれば危険も顧みなくなるわけだし、また、ダリアさんはこんな風にも話している。
「不況のせいで身体を売るようになったイタリア人女性は、たくさん居ますよ。あまり世間に知られていないのは、ほとんどの人が家の中でやってるからですよ。」

リメーナ市郊外の通りに立つ女性達は、みな知り合いで、互いに助け合っている。
2人の子供を抱えるある母親は、夜、仕事に行く際、子供たちに「飲み屋さんでバーテンダーをしている」と言って家を出ていると話す。
ヴェローナ出身の女性などは、失業中の夫に送られて出勤して来る。
バッサパドヴァ在住の女性は、客の車が止まる度に魔除けに指を交差させ、知り合いでないことを祈ると言う。
このような女性たちは皆、同じことを言う。
「仕事を失って、ほかに方法がなかったから。」と。
もちろん、皆が皆、同じと言うわけではない。
成り行きに任せ笑い話にしている者もいれば、自分を誤摩化し出口の見えないトンネルの中に埋もれている者もいる。
そして、そのうち誰一人として、とことん追いつめられたことのない者にも理解できるような言葉を、見つけられずにいるのだ。仕事がないと言う事実の周りを、グルグルとめぐる選択。本当の死を選ぶか、もしくは、気持ちを殺してしまう方を選ぶのか。
そして、もっとも悲惨なのは、皆、家族や友人には打ち明けない方を選ぶことなのだ。

ダリアさんの女友達は、こう言う。
「恥ずかしいことなんて何もありませんよ。べつにドラッグの密売をしてるわけでも、盗みを働いているわけでもないんだから。私がやってることは、私の品格を損なうようなものじゃないし、家賃は払わなくっちゃならないものなんですから。」

深夜1時。ダリアさんと、お仲間のウクライナ人女性(40〜45才)が、互いに元気づけながら夜を過ごしている。
リメーナ市の工業地区に建つ多くの企業、その駐車場のひとつで、だいたい二人一組になって互いに励まし合っているのだ。
ダリアさんが売春するのは、日に三度の食事がきちんとできるようするためだ。お仲間の方は、成績の良い娘の将来のためにそうしているのだと。母親が何をして稼いでいるのか、娘は知らない。
「お年寄りの介護ヘルパーをしてるって言ってあります。何ヶ月か前までは、私も工員をしてました。パドヴァの山手地区にある工場で働いてたんです。今は、仕事はありません。」
いつまでも夢を夢のままにしておかないために、ほとんどの人間にとっては安易にしか見えない方法を選んだのだ。もちろん、彼女にとっては絶対に安易な方法ではないと言う。
ダリアさんは、こんなことを話してくれた。
「私も親しい友達には介護ヘルパーをしてるって言ってますよ。売春するのは初めてじゃないし。前もやったことがあるんです。失業する度にね。お客さんですか?特に若い人かな。20〜40才ぐらいの。年取った人とは一度もないですよ。パトロンがいないから自由に選べるんですよ。嫌なタイプなら、お断りって。お客さんと親しくなることがあるかって?ないですよ。パドヴァじゃ無理ですね。ここの男って閉鎖的なんですよ。お金を払って、終わったら帰っちゃう。昔、ローマに住んでたことがあるんですけど。あそこは違いますよね。お客さんに、晩ご飯ごちそうしてもらったこととかありますもん。」

少し離れた所に放置されてるスクラップ車の中には、イラリアさん(仮名)がいる。
40才強と言うところか。パドヴァの山手地区に住み、失業中の夫と2人の娘がいるが、夫とは上手くいっていない。カツラを被った頭の中には、みじめな考えばかりが浮かんでくる。
「8月から売春してます。ほかに何もできないから。仕事なんてないし、少し障害があるもんですから誰も雇ってなんてくれませんよ。娘たちには、飲み屋さんで働いてるって言ってます。」
イタリア人女性らの間でイラリアさんは働き頭である。仕事には毎晩出てくる。
「いくら稼ぐかって?どんなことするかによって違うけど、一回に20〜40ユーロ(約2,200〜4,400円)ぐらいですよ。客はどんどん減ってますね。これも不況のせいなんでしょ。」

しかし、不況のせいだけとも言えない。例えば、外国人女性らとの競合は過酷なものだ。
ダリアさんは、こう言う。
「あの人達って、避妊なしでお客を取るんですよ。でも、稼ぎは良いらしいですよ。私ですか?生きてくのに必要な分だけね。いつ辞めるかって?別の仕事が見つかったら、すぐにね。」

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年5月20日

実はわたし、自宅で日本語のプライベートレッスンをしてるんですが、だいたい30代前半の男性生徒が多いんですよ。
以前、生徒を送りがてらアパートの共同玄関まで行ったら、ご近所のご老人が私達を見て固まってたことがあるんです。
…なにか、誤解されたんでしょうかね。

記事内にあった『一回に20〜40ユーロ(約2,200〜4,400円)』って
やけに安くないのか〜と思う管理人でした…
全然関係ないんですが、クリックPer favore

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2 Responses to 不況で主婦売春が増加…

  1. MIS 2010年5月26日 at 3:39 PM #

    彼女たちは本当に逞しい。人間らしいな、と思いますよ。
    簡単に自殺されるより良いんじゃないですかね。

    昔なら、合法的な売春宿があったぐらいなんですしねー。むしろ娼婦であることを誇りにしていた時代もあるぐらいで。

    本当に紙一重ですね、この世の中は。

  2. chirico 2010年5月26日 at 6:49 PM #

    おっ、MISさん、いつもコメントありがとうございます。

    以前、スイスのホテルに泊まった時、TVがフランス語で訳分からなかったんですけど、唯一、深夜映画でイタリア語音声(仏語字幕付き)のをやってたんですよ。
    それが、19世紀ぐらいのイタリアの『ヒモ』と『売春婦』の話でして…
    やっぱり、『たくましい』の一言に尽きますねぇ。
    「私にできるのは、街角に立つことだけよ!」って連呼してね。

    あっ、スミマセン。
    記事と全然関係ないコメント返しで…

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