給料払え!採血ストで死亡

イタリアでニュースを見ている時に、頻繁に聞く単語と言えば
『sciopero(ショーペロ:ストライキ)』なんじゃないでしょうか。
公共機関なんかのは有名ですから、イタリア国内を旅行中に遭遇された方もいるのでは。
しかし、そんなストライキ慣れしたイタリアでも、今回のは…さすがにかなり衝撃的な方法であります…

ナポリ 『給与未払いに採血スト、看護士が死亡』

サン・パオロ病院に勤務していた看護士マリアルカ・テッラチャーノさん(45才)が、突然、昏睡状態におちいり、その3日後に死亡した。
マリアルカさんはナポリ1地方医療事業体(ASL)からの給与未払いに抗議すべく、4日間毎日150mlの採血を続けていた。
その過酷な抗議の様子は、同市の私設放送局『Julie Tv』のカメラに収められ、公開されている。

同撮影フィルムはYouTubeに投稿され、世界中で視聴されている。
「同時にハンガーストライキもやってるんです。」と訴えるマリアルカさんは、こう続けている。
「気違いじみて見えるかもしれませんが、皆の血肉が弄ばれているんだってことを知ってもらいたくって。実際に、血を目の当たりにすれば、私達や患者さん達の大変さが分かりやすいでしょ。」
マリアルカさんが抗議行動を中止したのは5月3日のこと。同日、カンパーニア州知事ステファノ・カルドーロ氏により給与支払いの再開決定が為されたが、時すでに遅く、マリアルカさんは10才と4才になる2人の子供を残し帰らぬ人となってしまった。
現在は、マリアルカさんの友人らはフェイス・ブックに『”Io ricordo la lotta di Mariarca Terracciano(マリアルカ・テッラチャーノの闘いを私は忘れない)”』を立ち上げ、故人を偲んでいる。

5月3日、マリアルカさんはサン・パオロ病院婦人科で勤務中に突然具合が悪くなり昏睡状態におちいり、昨日13日に息を引き取った。
死因は心停止。捜査の対象にはならない。
遺体は解剖に付され、本人の生前からの希望により、臓器提供のため心臓、腎臓等が摘出された。

マリアルカさんの同僚でもある血液学専門のブルーノ・ズッカレッリ医師は、このような悲劇を誘発するような無理な採血ではなかったと話し、
「1回の採血量の最高は500mlです。マリアルカさんが医学的にすでに何らかの危険状態にあったと言うなら危険ですが。」としながら、
1日に150mlの採血を4日間続けることについては、
「何も起きないはずでした。もちろん、容態が悪かったとか、4日間以上続けようとしてたのなら、止めなければなりませんが。残念なことですが、マリアルカさんがしていた抗議と言うのは氷山の一角に過ぎず、ある家庭の困窮の程度や、収入の担い手が1人しかおらず、支払い期限までに何とかやり繰りしなければならないと言う状態を示すバロメーターのようになってます。」と付け加えている。
また、ズッカレッリ医師は、マリアルカさんの死が、何日も苦しみ続けてきたストレスと無関係だったとは言えないとした。

給与未払い問題において、常に第一線で戦ってきたマリアルカさんは、住宅ローン返済のために最近、新たなローンも組んでいた。理由は給与未払いによる返済遅延からだった。住宅ローンを返済するための借金を作らざるを得ない状況だったのだ。
「こう言った死に対しては最大限の敬意が払われるべきであるが、真実を大切にするためには、マスコミなどに軽率に利用されることは避けなければならない。」
と明言するのは、保健担当評議員であるマリオ・サンタンジェロ氏。
「このような採血が突然死の原因になると考えがたいし、特に、亡くなられたのはストライキを辞められてから1週間後のことなのだから。」

ナポリ市行政議会のPdl(イタリア国民党。伊首相率いる与党)グループ副会長を務めるチーロ・シニョリエッロ氏は、
「困窮や憤懣に結びついた痛ましい話だ。私達の土地ではどんどん日常化しており、仕事と結びついた紛争劇をくり返しているのだ。」としながら、これらの悲劇については、
「医療業界において、最低限のモラルが失われ、巨大なパブリックリソースが浪費されていることに対しての責任が明らかにされるべきだ。」と話している。
また、サン・パオロ病院のマウリツィオ・ディ・マウロ医長は、今回の事件は万人のとっての痛みとしながら、
「マリアルカさんは家族の1人のようなものでした。ここに居る私達は、それぞれがチームの一員なのです。」と語気を強めた。
ナポリ1はイタリアで最大規模の地方医療事業体であるが、資金が底をついたことを理由に、雇用者1万人に対し4月から給与支払の遅延があった。

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:La Repubblica 2010年5月14日

最近はタイの方でも、抗議行動の一環として1人10ccの血液を集めては撒く…なんてことをしてたようですが。
洋の東西を問わず、だんだん抗議のやり方も切羽詰まってきたってことなのか。

いくらなんでも、
なにかの限度を超えてしまってるんじゃないんだろうか、この国は…
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2 Responses to 給料払え!採血ストで死亡

  1. MIS 2010年5月18日 at 2:24 PM #

    うーん、医療現場は世界共通ですね。
    私も親が医療従事者ということもあって現場の実態を聞かされます。
    過酷ですよ。どこも足りないです。医者、看護士、介護士……。
    そのくせ、歯科医などは飽和状態。楽な業務ですしね(汗)
    医師免許持ってるんだから救命救急医とかやってくれよ! と思わずに居られませんorz
    という私もやろうとしたら親にことごとく反対されましたorz

    まずは医療制度の整備ですかねー、イタリアも日本も。

  2. chirico 2010年5月19日 at 12:30 AM #

    イタリアと日本を単純に比べると、どうしても日本の方が色々な面で『きちん』としてそうな印象が強いんですが…
    最近、恐いなって思うのは、単に日本の場合は表沙汰にされないだけなんじゃ…って思っちゃうことでしょうかね。

    特にミスの許されない職種なんだから、人員でも賃金でも余裕を持って欲しいもんです…

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