障害児の入学拒否、イタリア私立校

最近イタリアの裁判で、動画サイトに投稿されたダウン症児へのいじめビデオを放置したと言う罪で、グーグル幹部ら3名に有罪判決が言い渡されていました。
イタリア全土では、同事件について強い怒りの声があがっているらしいんですが….この記事は、一体…。

 

 

 

ローマ 『障害児と私立学校の難しい関係』

「お宅のお子さんなんですが、国公立の学校へ入学させられたらどうですか?あちらの方が、当校より配慮されてますよ。当校では障害のある生徒を受け入れていないんですよ。どういう風に扱っていいのかも分かりませんし、養護教諭もいませんから。」
障害のある我が子を私立学校へ入学させるのは、両親にとっては難事業だ。
日常生活が不便だとか、両親が先に逝ってしまった時はどうしよう…等と思い煩うだけではまだ足りず、学校選びでまで差別を受けることとなる。
2000年に制定された均等法には、教育省から認可されている全ての学校は、障害児を含むいかなる生徒をも受け入れねばならないとなっており、毎年、養護教諭のための基金は割り当てられている。
この件については、2002年にローマ裁判所でも論じられ、また、2008年にマリアステッラ・ジェルミニ教育相からの発令により規定は更に厳しいものとされ、障害児受け入れ規定を遵守しさえすれば均等な措置は取り得るとされているのだ。

法の向こう側では独自のやり方 − 規定はこの通りだが、実際のところは独自のやり方がまかり通っている。
国会関連の情報を取り扱っているディーレ・エージェンシーがこの無法地帯へと飛び込み、受話器片手に多くの私立学校に連絡してみたが、障害児の受け入れに関してはほとんどの返答が『NO』であった。たとえ『YES』と返ってきても、その次に出てくるのは養護教諭の問題だ。この点に関しては、もう完全な混乱状態。
「当校では障害児の受け入れは、一切行ってませんよ。」と言い、教育省が「払い戻しは保証しないし、わずかな基金を割り当てるだけ」だからと、責任を押し付ける者もいる。
また、教員への給与を増やすために費用の追加や、分担金を求める学校もあるのだ。

《問題が起きるから》− 問題と言うのは、養護教諭に関することで?と質問すると、
「いいえ。障害児童を受け入れないのは、学校内での問題になるからですよ。一番良いのはですね、国公立にすることですよ。当校より、もっときちんと配慮されたね。」
また、そんなことか…。大規模なある財団が運営しているカトリック系の学校(ローマにあり、実験室や体育館、上映室、プールなどを備えている)では、ダウン症児に門戸を開いてくれたのだが、職員は我々にこう告げてきた。
「当校は私立なものですので、養護教諭への報酬はご両親の方でまかなっていただきたいのですが。教育省からの払い戻しがあるまでの間なんですが、ただ、それもいつになることやらね。」
意気消沈すること当然至極。
ローマにある別のカトリック系の名門校からは、
「演繹的に見て、良いも悪いもないんですよ。もちろん、実際に入学できるかどうか様子を見てみなければなりませんけどね。」と回答された。
どうもすっきりしない。

追加費用 − ミラノにあるシスターらによる私立学校に関しては、養護教諭は置かれておらず、障害児の受け入れはない。
「実のところ、教育省の方からは何がしか…の支払いしかされていないんです。」
障害児が行きたい学校も選べないのは、結局は教育省の責任と言うわけか。
イタリア北部ヴェローナ市の私立学校では、《障害児のための追加費用》が早く来すぎるのだと教えてくれた。障害児を持つ家族は、その後に州行政に養護教諭1名の斡旋を請願することとなり、それから州行政は視察に来ることになるのだろうと。
「もし斡旋してくれなかったら?」と聞けば、
「かつて、そう言うことはありませんでしたが。確かに払い戻しは一括じゃなくて、何回にも分けて支払われますけどね。」
そして、教諭の年収の話題もあがってきている。
イタリア南部もまた同様。
パレルモでも、障害児は国公立学校に入学させるよう勧められ、電話を応対した職員は、我々にこう言った。
「教師としては、その方が良いんですが。」

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Corriere della Sera 2010年2月25日付

 

 

 

それから、もう一件、イタリアで最近、フェースブックに《ダウン症児を標的にせよ》…と言った内容のグループが登録され、やっぱり大問題になってたんですよ。
こっちの方は『アメリカの協力により、速攻で削除できた』と言う記事を見かけましたが。

 

 

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4 Responses to 障害児の入学拒否、イタリア私立校

  1. MIS 2010年3月2日 at 9:17 AM #

    初めまして。いつも楽しく読んでいます。
    こういう社会福祉に関しては欧州は日本よりもはるかに進んでおり、国民の意識も浸透していると思っていたのですが・・・意外でした!
    ああいうのは北欧あたりですかねぇ?ノルウェーやスウェーデンあたりでしょうか。

    イタリア人の友人も、イタリアは君が思っている以上に悪いと思うけど、という言葉に今頃少し納得しちゃったり・・・と思いました。

    これからも読ませていただきます。

  2. TOLOS 2010年3月2日 at 3:34 PM #

    自身の経験ですが
    通った中学には特殊学級が設置されており
    養護教員と10人程度の生徒がおりました。
    日常の交流はないものの 運動会、文化祭などは
    いっしょに行うことで彼らのことを少し知ることができました。
    生徒によって得意分野はちがうものの 素晴らしい絵をかく者、かけっこが早い者がいました。
    また、そのときの普通の中学生より内なる感受性は何倍も持ち合わせているように感じました。
    優劣ではなく得意能力が社会の求めるものと合ってないだけなんだ とは3年間同じ校舎で過ごした感想です。
    障害を持っている生徒の受け入れは 普通の生徒にとっても多様性の認知というプラス面もあるのにと思います

  3. chirico 2010年3月3日 at 8:07 AM #

    はじめまして、MIS様、コメントありがとうございます。

    そうですねぇ、北欧の福祉は有名みたいですが、イタリアは、お世辞にも進んでいるようには見えないですねぇ…。
    なんの予算を取っても、本当に必要な人の所にたどり着くまでに、横からスルスルかすめ取られちゃうような印象はあります。
    やっぱり、マフィアとかにね…。
    それから、ちゃんとした支援システムを作ると、すぐにそれが悪用されて、例えば、ある一つの町だけで異常に障害者の申請が多く出てくるとかね。

    おっと、すみません…つい悪い話ばかり並べてしまって。
    これに懲りず、また、コメントお待ちしてますね。

  4. chirico 2010年3月3日 at 8:22 AM #

    TOLOSさん、貴重な体験談をありがとうございます。

    あの、Maria de filippiの “C’è posta per te” って番組、見たことあったりします?
    ダウン症の若者が出演することが、よくあるんですよ。
    大体は、家族からの依頼で、そのダウン症の方の大好きな有名人(また、大体、サッカー選手なんですけどね)に会わせてあげるから、これこれ言うことを聞きなさい…って言う内容なんです。
    それで、出演するのはちょっと我がままなんだけど、ユーモアがあって、すごっく素直な人達で、お目当ての有名人に対面した時の感動ときたら、もう、見ているだけで泣けてきちゃうぐらいで。

    イタリアの日常生活の中で、良い面って見つけづらいことが多いんですが(私は)、これは日本にはない良い趣旨の番組だな〜って思ってるんですよ。

    日本には

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