黒人暴動の陰にマフィアあり:ロザルノ事件とンドランゲタ

お正月が終わったと思ったら、イタリア南部の方でアフリカ移民による暴動、地元住民との衝突事件が起き、日本各紙でもけっこう報じられておりました。
現時点では一応、事件自体は静まり、政府が今後の対策を練っている最中なんですが…。
やはり背後の方から、なんだかんだと出てきましたよ。

 

 

ロザルノ 『衝突事件にボスの息子、ヴァチカン紙 “イタリアの人種差別”』

イタリア南西部レッジョ・カラブリア県のロザルノ市で、農場労働者として雇われているアフリカ人移民らが、先週9日まで住みついていた建物施設の取壊しが進む一方(左下写真)、同県パルミ市では今朝、ジュゼッペ・クレアッツォ検事が警察幹部らを召喚し、先週発生した暴動事件(上写真:アフリカ移民2名が負傷したことで抗議行動が発生、その後、地元住民らによるアフリカ移民狩りが勃発した)に関する事情聴取を行った。
今回の暴動が移民と警察との対立へ発展した際に、地元マフィアファミリーとの関わりを持つ人物が逮捕されたと言う事実に基づき、調査の焦点は特に事件の経緯や地元の犯罪組織との関わりに向けられている。
ニコーラ・グラッテリ検事補佐は『Quotidiano Nazionale』紙のインタビューで、
「ロザルノ市の暴動事件はンドランゲタ(カラブリアマフィア)により仕組まれた」のは確かだと話している。
検察では、今月3日にレッジョ・カラブリア検察庁前で起きた爆発事件からの注目をそらすため、犯罪組織が今回の暴動事件を仕組んだと仮定している。
なお、検察庁前で起きた爆発事件に関しては、先頃、逃亡中のンドランゲタ組織員が逮捕され、同組織の資産が押収された件に対する報復と見られている。
またロイター紙に掲載された警察の報告書によれば、同暴動事件ではンドランゲタの組織員(前科あり)やボスの息子らが逮捕されているとのこと。

デモ行進 − 一方、ジョルジョ・ナポリターノ伊共和国大統領は、レッジョ・カラブリア県へは来週21日、『合法の日』イベントに参加し、
「ロザルノ市で起きた重大事件のため曖昧にされている合法性および団結」の価値を再評価するために赴くことを発表した。
また本日午後、地元住民の任意団体によるデモ行進が行われた。
「この町に外国人反対とか、マフィアの町と言ったイメージがついてしまいました。それから、ナショナリズムのマスコミやら、政治家ら、地方・国レベルでの連合主義者らのせいで暴力的な人種差別の町と言うようなイメージがついてしまい、それに反対するため。」に企画されたもので、カルヴァリオ広場より午後4時に出発し、移民らの一部も参加していた。
デモ行進の先頭には、
『国家から見放され、マスコミに汚され、20年もの共生が人種差別であるものか』と書かれた垂れ幕が掲げられ、主催者らは、
「今回のアフリカ移民らによる暴動であれ、いかなるところからの暴力行為であれ、ロザルノ市民は断固とした態度でそれを糾弾します。」と話している。

融和のための方策 − マウリツィオ・サッコーニ厚生労働大臣より、政府は来週以降にも融和を目的とした国策を調整する意向であることが発表された。
サッコーニ大臣は次のように話している。
「全くもってマローニ内務大臣の言うとおりです(訳者注:移民に甘過ぎた、非合法労働者をなくすべきと言った発言が内務大臣より出てます)。サッカースタジアムでの野次であれ何であれ、民族間における不寛容を発した事件に対し決議を行うべきです。
融和政策は必然的に関連している二つの事柄によって成立するのです。それは難民が漂着するのを抑制すること、そして、最良の形で融和し正規の行動を取ると言うことです。不可避的な違法行為の方が多く、それが正規な行動を駆逐するほどに、この二つの事柄は互いをあおり立てることになるのです。
悪質な硬貨が良質なそれを駆逐するようにね(訳者注:良質な硬貨を手元に置き、悪質な方を使うため、市場からは良質な硬貨が消えると言う意)。
それゆえに我々は融和のための国策を調整し、来週以降に発表する予定でおります。」

ヴァチカン新聞の反応 − ヴァチカンの『l’Osservatore Romano』紙では「イタリア人による人種差別」とし、厳しい攻撃の姿勢を見せている。
同紙の記事にはイタリアが統一された当初に起きた人種差別の根源にまつわる挿話が書き添えられ、
《しかしながら2010年になってもまだ、我々は憎しみの中で生きている。時には黙りこみ、時には嘲りの言葉で拍子を取り、時には具体的な行動へと変わってゆき…。》と締めくくられている。
これはジュリア・ガレオッティ記者による『イタリア人と人種差別、黒いタンムーリアータ』と題した長文記事で、内容は以下のとおり。
《不快なだけではない。新聞報道で広まる人種差別事件により、声なき野蛮な憎悪が我々の間にもたらされるのだ。そして、その憎悪とは、我々が自分達よりも劣っていると思い込んでいる肌の色に向けられる。
取りあえずは新聞は大げさに書き立てない。つまり、列車での旅行、公園で散歩、サッカーの試合に関する記事が疑念を残すことはないのだ。イタリアの北から南まで、第一面にでかでかと掲載されるようなことはなかった。
また、我々は自分達とは異なる黒人が、白人との混血児を作ることでより近しい存在になった際、自分達を解放してやることもできなかった。そう言う風になった非常に様々な理由もさておいてだ。
愛し合った結果なのか、それとも強姦されたのか。非常に困難ながら、その混血児のことを自分達の子供と同様に見なした。いやむしろ、黒人であり白人でもあると言う事実は更なる脅威に思えたのだ(今でも思っている)。
この件に関し、アメリカにおける例はなんら役に立たない。つまり、オバマ・マニアが政治からアートへ、スタイルから言語表現へと渡り歩るいて猛威を振るおうとも、異人種間の出会いに価値があることを示す説得力を持ったことはないのだ。》
同記事は、日曜日にローマ法王が移民らに対し敬意を持つよう呼びかけ、また、ヴァチカン市国の国務長官を務めるタルチジオ・ベルトーネ枢機卿がロザルノ市の移民らが生きている劇的な状況について訓話をたれた後に掲載された。
(2010年1月11日 Corriere della Sera)

いつも通りの余談ですが、ヴァチカン新聞の記事のタイトルにある『黒いタンムーリアータ(Tammurriata nera)』ですが。
1940年代に実話をもとにして書かれたナポリ民謡で、アメリカ黒人兵の子供を産んだイタリア女性について歌ってるんだそうです。
それから『タンムーリアータ』は、カンパニア地方の伝統舞踊であります。

ブログランキング・にほんブログ村へ人気ブログランキング 海外ニュース ブログランキングへ

イタたわニュース関連記事
マフィアの不動産の行方、ンドランゲタは北が拠点【前編】
マフィアが元首相を救出!?:赤い旅団モーロ誘拐事件とンドランゲタ【第1章】


Pocket

,

2 Responses to 黒人暴動の陰にマフィアあり:ロザルノ事件とンドランゲタ

  1. TOLOS 2010年1月13日 at 4:05 PM #

    この国、特に南イタリアで大きな事件が起こると
    必ずマフィアの関与が取り沙汰されますよね
    計画的なものか、既に日常と一体化しているので その名前がでてきてしまうのか・・・
    南イタリア出身の同僚は
    「廃墟に住む彼らに対し、動物を狙うように空気銃で遊ぶということが日常的にあったみたい」とも言ってました

  2. chirico 2010年1月14日 at 7:28 AM #

    おっ、TOLOSさん、地元情報をありがとうございます。

    南イタリアの方で(特にパレルモとかナポリとか)、政治家が選挙に勝った時に、もし得票率が70〜80%とかだったら、まずマフィアが陰で票集めをしたことに間違いない…って話を最近聞きました。
    たとえ、当の政治家本人がまったく何も知らなくてもですよ。
    もう、それくらい良くも悪くも関与してくるんでしょうね…。

    こうなると却って、日本のヤクザなんて、あんなに世界的に有名なのに、あまり大きな事件に関与したなんて話がない方が不思議に思えてくるんですが。

コメントを残す

スパム防止の為、計算に答えて下さい * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

Top