マフィアの検事惨殺事件、外部の協力者が…

さて、今週のマフィア記事、行ってみましょうか。
イタリアでは最近、17年前に起きたマフィアによる虐殺シーズンに焦点が当たってますんで、少々予備知識が必要な記事が多いのが難点ですが。
今日のポイントは『カパーチ事件』。
1992年5月23日、マフィア撲滅のために戦っていたジョヴァンニ・ファルコーネ検事が高速道路を走行中、マフィアが仕掛けた大量の爆弾により殺害された事件であります。
 

 

ローマ 『カパーチ事件の背後にはマフィア外部からの協力者が…』

1992年5月、対マフィア活動をしていたジョヴァンニ・ファルコーネ検事が高速道路で爆殺されたカパーチ事件は、コーザ・ノストラ(シチリアマフィア)による犯行だったのだが、実は『外部』からの協力があったのではないかと言う疑いがいまだ存在している。
全国マフィア対策検察官を務めるピエロ・グラッソ氏(左写真)は、このファルコーネ検事殺害事件が完全にマフィア組織による犯行であると言う事実に、再び疑問を投げかけ、マフィア対策委員会で次のように話している。
「ファルコーネ検事および、その護衛にあたっていた警察官らを殺害したのがコーザ・ノストラであることは紛れもない事実である。しかし、勘とでも言うのか、疑問とでも言うのか…外部の人間が手を貸していたのではないかと言う考えがいまだに存在している。計画の段階においてか、もしくは扇動していたのか…。とにかく、マフィアの活動を支援しえた外部の人間がいたのではないだろうか。」

グラッソ検事の疑い
グラッソ検事は同委員会で事件に関する裁判の審理経過を長く引用した後、委員らの間に広がっている疑問点を投げかけた。
つまり、ローマを走行中のファルコーネ検事を殺害しようと言う仮定から、いかにしてカパーチ市の高速道路に500キロの爆発物を仕掛けようと言う犯行にたどり着いたのか?
この殺害方法の選択には、『明らかに破壊的で大量虐殺的』な様相が見られるのだ。
「ファルコーネ検事抹殺のために、誰がこのような殺害方法をトト・リイナに提示したのか?
この疑問に対する解答が得られないかぎり、事実の背後に隠されている真実を具体的に立証してゆくのは容易いことではないだろう。」

殺害リスト
当初、ファルコーネ検事の名前はローマにおける殺害リストに書かれていたと、以前、グロッソ検事は話していた。
また、同リストに書かれていたそのほかの名前はマルテッリ法務大臣、ジャーナリストのアンドレア・バルバート氏やマウリッツィオ・コスタンツォ氏など。
マフィアはコスタンツォ氏殺害のための現場を下見する以外に、ローマの有名レストランへと通いつめ、ファルコーネ検事がどこで夕食を取るのかを調べていた。

犯行計画の変更
グラッソ検事の推理によれば、1992年3月のある日、トト・リイナは犯行場所を検討していた組織員らに、ファルコーネ検事殺害はローマでは実行しないことを伝えているはずなのだ。
なぜならば、『より最適な何か』が見つかったから。

グロッソ検事の疑問に対する反応
マフィア対策委員であるヴァルテル・ヴェルトローニ氏は、
「グロッソ検事の発言は、イタリア近代史における、あの決定的な期間を再構築した重要なものであります。当時のマフィアによる国家への攻撃は辛辣なものであり、その殺害方法から見て外部の協力者の存在が疑われるのだとグロッソ検事が言うならば、いわゆるマフィアと国家の間で交渉が行われていたと言うことを口にするのと同様に、多大なる重要性があると確信しているのでしょう。」
(2009年10月27日 La Repubblica)

 

 

そのマフィアの殺人リストに名前が書かれていたと言うマウリッツィオ・コスタンツォ。
ここ最近ではご年配向けの人生相談番組の企画・司会をやっている人でして。
えらい滑舌が悪くって、外国人的には長時間ヒアリングするには辛い司会者なんですが。
でも、20歳以上年下の奥さんが、やっぱりTV番組の企画・司会業ではイタリアで天才と呼ばれている大物なんですよ。
マウリッツィオ・コスタンツォ…ただ者じゃないとは思ってました。

 

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2 Responses to マフィアの検事惨殺事件、外部の協力者が…

  1. Sanzone 2009年10月29日 at 7:37 PM #

    Corriere della Seraにも爆破現場の写真付きで
    この記事が掲載されていました。

    ファルコーネ検察官はこのパレルモ行きを
    たった一人で決め、翌日には飛行機へ。
    機上で計画を立て、車に乗る・・・
    それを知ったのは2〜3人の側近と上司、
    奥さんのみ・・・

    それで500kgの爆弾ですからねぇ。
    すごい情報網としか言いようが
    ありません。(外部の協力者って
    やっぱり・・・政府関係・・・
    黒幕は大物以外にありませんよね?!)

    コスタンツォ(嫁の声もコワい:笑)も
    マフィア批判し続けて、ローマの彼の
    スタジオ近くで、トト・リーナの命令により
    フィアット車が爆発。コスタンツォは
    難を逃れましたが、関係のない市民が
    1人死亡、30人もが重傷でした・・・
    ただ者じゃない気配も、こうした
    経験からか?!

    外部協力の名前は、おそらく
    このまま「迷宮入り」でしょう。
    ジュリオさんあたりが(あ、名前言っちゃった!)お亡くなりになってから
    数年後ぐらいに新聞の見出しかなぁ?!

  2. chirico 2009年10月29日 at 8:16 PM #

    おっ、Sanzoneさん、こんにちは!

    くっ、くっ、くわしいですね〜。
    わたし、マウリッツィオ・コスタンツォがマフィアから狙われていたことなんて全然知らなかったんですよ。

    実は、奥さんの方の某番組(キャっ、ミーハーなんです!)の大ファンなもんで。
    常々、この奥さん、イタリアのTV業界で一番まともにちゃんと仕事してるんじゃないかな〜と思っていて、なんでまたこの二人が夫婦なんだろうと…。
    やっぱり、ただのデロデロ喋るオヤジじゃなかったんだなぁ〜と。

    でも、ジュリオさんがお亡くなりなる前に、ベルススコーニ政権が崩れたら、いろいろと飛び出してきそうじゃありません?

    昔々、日本でオウム事件の記事を追っかけてた時の100倍ドキドキしてます、わたし。

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