米マフィア、ゲイ告白で減刑ねらう:コーザ・ノストラの掟

当ブログでは以前、「コーザ・ノストラ(シチリアマフィア)の若いもんが刑務所内で詩を書いていたら、同胞たちから“あいつはゲイだ!”って言われて性的暴行を受けた…」と言うエグイ記事を掲載しました。
シチリアの本家本元ならばいざ知らず、アメリカの方じゃけっこう寛容になってきた…なんて話もあるんですが、まだまだ厳しい社会なんですね、ゲイには。
 

 

ワシントン 『マフィアが減刑をねらってゲイをカミング・アウト』

殺人に加担したとして起訴され、現在はFBIの情報提供者であるニューヨークのマフィア組織員ロバート・モーマンドが、減刑目的のために『コーザ・ノストラ(シチリアマフィア)』のタブーを破り、裁判で自身がゲイであることを表明した。
モーマンドは、マフィア組織は裏切りだけでなくゲイであることも容認していないため、FBIに協力することで二重の危険に身をさらすこととなり、これらは情状酌量に値すると訴えている。

カミング・アウト − モーマンドは裁判で、マフィア組織員は『服従と沈黙の掟』により「真の男である」ことを求められていると説明。なお、ロバート・モーマンドは離婚歴があり、2人の子持ちである。
このモーマンドの表明に食指を動かされたのが『New York Times』紙で、なぜならモーマンドは、マフィアのボスの中のボスこと故ジョン・ゴッティ(左上写真)の甥であるリチャード・ゴッティと、ごくごく親しい友人関係にあったのだ。
二人の友情は十代の頃にまで遡り、故ゴッティの名声を傷つけるものとは思えないが、「その名に汚点は残された」と同紙では報じている。
モーマンドは裁判を切り抜けるためにカミング・アウトをしたものの、より大きな危険に身をさらすことになりかねない。現在、マフィア犯罪のかどで服役中のリチャード・ゴッティはモーマンドのことを容認するだろうが、他の者達が黙ってはいないだろう。

コーザ・ノストラの掟 −『服従と沈黙の掟』には記されていないが、コーザ・ノストラではゲイであることを表沙汰にしてはいけないことになっている。
『New York Times』紙に掲載されているマフィア史上もっとも馬鹿げた逸話のひとつが、1992年のジョン・ダマートの一件だ。
『カバルカンテ・ファミリー』の元ボスだったダマートはゲイであることを仲間の一人から糾弾され、元配下のトニー・カーポにより殺されている。カーポはダマートに向かって、「自分達のボスがゲイだなんて知られたら、もう誰からも尊敬されなくなる。」と訴えたと言う。
この逸話は米TVドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の中でも取扱われており、劇中ではゲイ・マフィアであるヴィート・スパタフォーレがゲイのたまり場で目撃され、その後、殺されている。
このヴィート役を演じた俳優ジョセフ・ガナスコーリは役作りのためにジョン・ダマート事件についても調べたそうで、『New York Times』紙にマフィアとゲイは両立できるものではないと語っている。
しかし同紙によれば、「アメリカの『コーザ・ノストラの裏社会』においてゲイの弁護士は、必要な時には迷うことなくいつでも雇われていた。」とある。
有名な『ゴッド・ファーザー』ことアンソニー・サレルノとカルミーネ・ガランテは、ニューヨークで最も偉大なゲイ弁護士ロイ・コーン氏の弁護を受けている。
また、マフィア社会でゲイが完全に御法度だった時代にも、マフィアはゲイ相手のバーやナイトクラブを長いこと経営していたのだ。
『New York Times』紙では、モーマンドと共犯者アンジェロ・ムニョーロ(ゲイ性向には気づかずにいたのだが、現在は自身についても危惧している)の今度の行き先を案じている。
裁判官のジャック・ワインスタイン氏からは、いまだ判決が出されていない。
(2009年10月21日 Corriere della Sera)

 

 

わたし、全然知らなかったんですが、記事内に登場した米TVドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』、一応、イタリアでも放映していたみたいです。
まぁ、『ゴッド・ファーザー』もちょこちょこ放映されてるんだから、なんの問題もないんでしょうが。
だけど、たとえ毎回、見てなくても、たいていCMぐらいはチラ見するもんなんですけどねぇ……。
ちなみに放映してたのは、ベルルスコーニ伊首相の息子が社長をやってるTV局でした。

 

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4 Responses to 米マフィア、ゲイ告白で減刑ねらう:コーザ・ノストラの掟

  1. Sanzone 2009年10月23日 at 8:36 PM #

    残念ながらイタリア在のSanzoneです(笑)
    しかもンドランゲタの第二の故郷に
    なりつつあり(もうなってる?)、
    カモッラの懐をとてつもなく暖かめている
    ドラッグの消費量イタリア一の、
    北イタリアの都市におります・・・

    ゲイだけじゃなくて、幼児性愛、フェチ、
    のぞきも不倫もSMもダメなマフィアの掟。
    でもイタリアでは結構難しいですよねぇ、
    ゲイじゃなく、フェチじゃなく、不倫もせず、
    SでもMでもない男を探すのって(笑)

  2. chirico 2009年10月24日 at 12:42 AM #

    Sanzone様、またまたコメントありがとうございます。

    え〜と、市長がお金持ちの女性で、先月、85歳でお亡くなりのM.Bの国葬(わたし、住んでたら行ってたと思います)が行われた大都市…かな?

    あの、コメント(の後半)読んで、腹式呼吸で大笑いしてしまいました。
    普通の新聞を読んでるはずなのに、本当に多いんですよ!ゲイとか幼児性愛とかフェチとか
    のぞきとか不倫とかSM絡みの記事が!!
    だから、こう言うブログを作ろうって思ったぐらいでして。

    あっ、それから実は、現在、マフィア関連の長編記事を翻訳中なんです。
    記事自体は先月のもので、長いし、速報性も必要なかったので放置してたんですよ。
    でも、Sanzoneさんのように興味を持ってくれる人もいるんだな〜と勇気づけられて訳し始めてみました。
    Sanzoneさんなら既に読んでる可能性もありそうですが、まぁ、ちょっと楽しみにしててください。

  3. Sanzone 2009年10月24日 at 6:45 PM #

    はい、とってもオシャレで
    毎日テレビに映るたび、
    イメルダ夫人のように(古いなぁ)
    お洋服やアクセサリーを変える方が
    市長をされてる街(大都市?というより
    日本の地方都市みたいな感じ)に
    おります。

    私もたいがいのマフィア関連記事を
    チェックしてますが、
    (もちろん今までのラ・キリコさんの
    マフィア関連ブログも全て拝読)
    その翻訳中の記事、
    とっても楽しみに待ってます。

    私の個人的意見ですが、
    ラ・キリコさんのブログ(特に
    マフィア関連とか・・・)は
    日本にいる読者よりは海外にいる、
    そして不幸にも(?)イタリアに
    いて日々を理不尽に過ごしている(笑)
    読者のほうが多いのでは?と
    思いました・・・

    それでないと「風光明媚」以外の
    イタリアを理解するのは
    難しいでしょう。

  4. chirico 2009年10月25日 at 12:20 AM #

    Sanzoneさんが住んでいる町に、実はまだ行ったことがないんですよ、わたし。

    そしてこちらは、日本人観光客が来ないことで有名な州の10万人都市なもんですから、そちらのイメージはやっぱり
    『お昼ごはんは家に帰らず外食する人が多い大商業都市』かなぁ〜。

    当ブログの記事は、マフィア関連を筆頭にけっこうマニアックなんで、確かにイタリア在住の方が読んだ方が臨場感はあるでしょうね。
    最近は、まさにそのイタリア国内からのアクセスが増えているんで喜んでいるんですよ。

    まぁ、こんなブログをやってるだけあって、わたしはまったく『あまのじゃく』な人間でして。
    それこそイタリアの『風光明媚』や『美食悦楽』など、陽の部分を紹介する媒体はたくさんあるのだから、日本の皆さんにはぜひ『今のイタリア』『生のイタリア』の、特に陰の部分も知ってもらいたいなぁ〜などと思っております。

    おっ、例のマフィア記事の方は、通常の記事をはさみながら、ちょこちょこ掲載することになると思いますんで、もう少々待っててください!

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