マフィアの殺戮、元法務大臣が新証言:コーザ・ノストラと国家の密約

イタリア近代史においてパオロ・ボルセリーノジョヴァンニ・ファルコーネと言えば、英雄と呼んでも過言はないでしょう。
両者ともコーザ・ノストラことシチリアマフィア撲滅のために戦い、90年代初めに続けざまにコーザ・ノストラによって爆殺された検事でして(左下写真はボルセリーノ検事の殺人現場)。
いまだ事件の背後には多くの謎が残され、なかでも一番は、コーザ・ノストラと国家の間で交渉な行われたのでは…と言う謎。
今回は登場人物が多いので、ちょっと複雑かもしれませんが、ボルセリーノ検事の死についての謎が解けそうな新証言が飛び出たヤマ場であります。
ここ、チェックポイントですよ〜。

 

 

ローマ 『国家とマフィアが交渉?聞いたこともない』

ジュゼッペ・デ・ドンノ元警察隊長はチャンチミーノ元市長とは話したこともないとし、告訴するつもりでいると言う。
またマリオ・モーリ元軍将官も、もし裁判に召喚されたなら必ず告訴するつもりでいるとし、とにかく裁判では戦うつもりだと話している(パレルモではマフィアの大ボスであるプロヴェンツァーノ逮捕失敗により告訴されている)。
両者とも来週、カルタニセッタおよびパレルモの検事が事情聴取する予定で、昨日はクラウディオ・マルテッリ元法務大臣およびリリアナ・フェッラーロ元刑事課長(故ジョヴァンニ・ファルコーネ検事の友人であり、職務上でも密接な協力関係にあった)も検事らと面会している。

政治トーク番組『Annozero(アンノゼロ)』が8日夜、1992〜93年に頻発したコーザ・ノストラによる惨殺事件に関する新たな証言を放送、翌日には激しい議論が巻き起こった。
マルテッリ元法務大臣が、これまで記録に残されていない内容を暴露したのだ。
「パオロ・ボルセリーノ検事は、マフィアと国家の一部との間で交渉がなされていることを知っていたのです。
デ・ドンノ元警察隊長はフェッラーロ元刑事課長に、ヴィート・チャンチミーノ元パレルモ市長が政府の保護と引き換えに協力する意志があると言うことを伝えていました。
フェッラーロ元刑事課長はデ・ドンノ元警察隊長に、ボルセリーノ検事にその事を話すよう促していました。そして、フェッラーロ元刑事課長自身がボルセリーノ検事に、その事を伝えたんです。」
おそらく、これらの会話がなされたのは1992年6月23日、カパーチ事件(ファルコーネ検事夫妻らが高速道路を移動中にマフィアにより爆殺された事件)の1ヶ月後とされる。
同番組内ではボルセリーノ検事の未亡人であるアニェーゼさんが、司法協力している元マフィアらに新たな事実を供述をしてくれるよう懇願した後、息子のマンフレーディ・ボルセリーノさんから次のようなコメントが出された。
「私も家族も革命的な事実が出てくることを望んでいます。誠実なイタリア全国民が、真実が知らされることを待ち望んでいるように。
私の母が言った“司法協力”と言う言葉は罪を償おうとしている元マフィアだけにではなく、事実を知り、それを証明できる者全てに向けられているのです。一般市民であれ、元閣僚もしくは現政府の要職に就いてる方々であれ。
真実を語るのに遅すぎたと言うことはないのですから。」

1992〜93年に起きた惨殺事件において、国家の一部とコーザ・ノストラとの間で行われていた交渉(まだ嫌疑段階ではあるが)は、一触即発の状態におかれている。
パレルモ検察では複数の調書から、交渉はカパーチ事件の後に始まり、1993年(フィレンツェ、ローマ、ミラノでコルレオーネマフィアによる惨殺事件が頻発)に起きたパオロ・ボルセリーノ殺人事件の後も続けられていたことを確信している。

昨日、ニコーラ・マンチーノ元内務大臣(現在は最高司法会議における副議長)より報道機関宛に、事態を明確にする旨の長い書状が届いている。
マンチーノ元内務大臣は、国家とコーザ・ノストラとの間に交渉が認められたことはないとし、
「デ・ドンノドンノ元警察隊長とフェッラーロ元刑事課長との間でなされた会話は、フェッラーロ元刑事課長がデ・ドンノ元警察隊長に、捜査を担当していたボルセリーノ検事と話すよう促したところで終わっています。
これを指して交渉と呼ぶのでしょうか?
元内務大臣としての責任で言うならば、私は交渉の可能性について誰からも聞いたことはないと断言します。
非公式な組織がそのような不正を行っていたのだとしたら、司法がそれを提示すべきでしょう。」と記している。

対マフィア組織の元会長であるルチアーノ・ヴィオランテ氏は、ひとつ疑問があると言う。
マルテッリ元法務大臣が事件後17年経った今になって、いかにしてチャンチミーノ元パレルモ市長が審問を要請していたことを思い出したのか?
「どこの国家がマフィアと交渉したって言うんです?
モーリ元軍将官が単独で行動したとは思えません。交渉を行わせようとしたのが誰なのかを知る必要があるんです。」
(2009年10月10日 La Stampa)

 

 

このマフィアと国家の交渉についてボルセリーノ検事が反対したから殺されたのでは…と言う仮説も出ております。
この件についてはボルセリーノ未亡人からの証言やパレルモ検察が捜査を再開させた…等々、後追い記事がちょっとずつ出てきてまして。
まだまだ続きます。

 

イタたわニュース関連記事
マフィアが首相の政党支持、大物ボスの裏切り:コーザ・ノストラと国家の密約
遂に政権交代?首相の免責法が違憲に…
脱税恩赦でマフィア救済!?:ベルルスコーニ政権
マフィアと国家の密約書:元マフィア市長の息子が暴く
イタたわニュース:マフィア関連


Pocket

,

No comments yet.

コメントを残す

スパム防止の為、計算に答えて下さい * Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.

Top