脱税恩赦でマフィア救済!?:ベルルスコーニ政権

先週までイタリアでは『Scudi fiscali(スクード・フィスカーリ)』なる法律を作るかどうかで、荒れに荒れておりました。
反対する野党の議員らはマフィア風の帽子をかぶり、『マフィアが感謝してるぞ』なんて紙を掲げてデモ行進したり(写真右)、議会での投票でも大騒ぎ…。
この『Scudi fiscali(スクード・フィスカーリ)』、直訳では『財務の盾』と言うのも見かけましたが、一応、当記事の翻訳文には英語の『タックス・シールド』を使っておきました。
ただ内容的には、某サイトで見かけた『脱税恩赦』って訳がピッタシな感じですね。
つまり、海外に流出させた資産に対し、たった5%の罰金さえ払えばイタリア国内に持って帰ってきても良いですよって法律でして。
もっとはっきり言うなら、脱税目的とかマフィアが海外に流した資産とかを、超お手軽にイタリア国内に戻せるって話なんですよ。

 

 

ローマ『タックス・シールドが可決 “ベルルスコーニ政権はマフィアだ”』

イタリア下院議会においてタックス・シールドを含む救済法が270対250票(白紙2票)と、わずか20票の差で可決された。
同法令に異議を唱えていたPd(民主党)、Idv(価値あるイタリア党)、Udc(中道連合)などの野党ら全議員が出席していたならば、おそらく可決されることはなかったであろう。
同法令はナポリターノ伊共和国大統領がローマへと戻る明日3日に、署名および公布となる予定。
ナポリターノ大統領は、タックス・シールドに関する法令は経済対策法の内容にもっとも合致するものであろうとし、また、公式声明にて同法令は恩赦にはあたらないと指摘している。

野党の欠席議員 − 現在、野党内部では同法令の可決を許した投票結果に議論が集まっている。
野党の議員総数は279名。そして、連立与党の一つであるPdl(自由の国民党)の議員269名のうち出席していたのが213名。
理由なく欠席した議員の過半数がPdl(自由の国民党)所属の議員であったのだが、野党Pd(民主党)の出席議員216名のうち23名が投票を棄権していたのである。
なお、その他の野党ではUdc(中道連合)37名のうち6名が欠席、また、Idv(価値あるイタリア党)では欠席は1名のみとされている。

民主党と中道連合『処分』 − 欠席した議員をめぐっての議論が即座に巻きおこり、Pd(民主党)の議員団長からは法令決議の投票時に不在であった議員らに対し『即刻処分』が発せられた。
欠席議員のうち病欠が11名、国会関連の職務による不在が2名とされており、『理由なき欠席および投票を棄権した議員に対しては議員団長より即刻処分が下される予定』となっている。
Udc(中道連合)のピエール・フェルディナンド・カジーニ党首からは、同党内における欠席議員ら各人に書面で、
「この度、貴公が正当な理由および事前の連絡なく議会を欠席された件は、国会議員としての、また党規律における多大なる責任の欠如と見られる。」と伝えられ、また、
「党内においては、正当な理由なくしての議会欠席に対し罰金処分を科す旨を審議する予定であり、今後、貴公が義務を遵守するようここに勧告する。」との声明が記されていた。

議会は大荒れ − 欠席騒動を別にしても、投票時には各党らによる罵声で議会は大荒れとなった。Idv(価値あるイタリア党)の議員らが『パオロ・ボルセリーノ検事の赤いノート』を掲げた際には、下院副議長のロージー・ビンディ氏により議会が一時中断されている。
この『赤いノート』とは、1992年にマフィアに暗殺されたパオロ・ボルセリーノ検事の実弟サルヴァトーレ氏が、9月26日に催した対マフィアのデモ運動にて使用したものである。

議会の一時中止 − Idv(価値あるイタリア党)の代表が、与党およびベルルスコーニ首相を『マフィア』呼ばわりして非難したたことに対し、Pdl(自由の国民党)の議員副団長イタロ・ボッキーノ氏からは、
「違法行為だ。ここは議会であり、ビンディ副議長には規則に従って介入するよう求める。副議長にはバルバート議員(写真左上の右側)を議会から追い出す義務がある。バルバート議員は常識に抗う重大な発言をしたのである。我々は国会議会において、首相や野党がマフィア呼ばわりされるのを容認するわけにはいかない。」とのコメントが出された。
なお、ビンディ副議長は、
「即刻、バルバート議員には注意勧告がなされた」ことを強調している。
つまり、議会が荒れたのはIdv(価値あるイタリア党)の議員らが『赤いノート』を掲げて抗議したために、ビンディ副議長が議会の中断を余儀なくされたから。

フィーニ下院議長が調停 − その後、ジャンフランコ・フィーニ下院議長により、
「バルバート議員の発言は客観的に見て重大なものであり、内閣府事務局より何らかの処罰が下される対象となる。」とする調停がなされた。
(2009年10月2日 Corriere della Sera)

 

 

さてさて、ベルルスコーニ伊首相の方はと言えば、ここ最近は大殺界状態なんです。
一夜を共にした高級売春婦からはTVのトーク番組で、
「首相は私が売春婦だって知っていたわ!」なんて暴露されるは、20年近く前から争っていた出版社買収をめぐっての裁判で負けて980億円を請求されるは…。
そのうえ、首相でいる間は訴追されないって法律をせっかく作ったのに、それさえ撤回されそうな気配でして…。

 


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