修復費は日本人が出してくれるんです:ローマ円形劇場

ぼったくり被害者とローマ副市長の『和解ピザ』ニュースのせいか、観光ネタが続いてますが…。
これはやっぱり「お金だけが目当てだったのね…。」って感じでしょうか。
いや、まぁ、日本の方も目的がないわけじゃないみたいだし…。
 

 

ローマ 『病めるコロッセオは日本人の手で救われる』

今日、東京にあるピザ・レストラン『Napule』でローマ副市長マウロ・クートゥルホ氏と、6月にローマの老舗レストラン『Passetto』で695ユーロ(約9万円)のぼったくり被害にあった日本人観光客2名が、ローマ−東京枢軸のためピザ・マルガリータとコカコーラで祝杯をあげる。
和解をする必要はないのだが、うるわしき振舞いと言うのは歓迎されるもので、クートゥルホ副市長は帽子片手に日本を飛び回っている。そして、「ヨーロッパで一番好きな国はイタリア」と言う日本国民はみな、ローマ帝国の歴史へと足を踏み入れるチャンスを、彼らなりに喜んで評価しているのだ。
時を同じくして、イタリア共和国大統領ジョルジオ・ナポリターノ氏も日本に居合わせている。
『メイド・イン・イタリー』の宣伝のための大規模な企画に合わせた来日で、同企画には美術展覧会、新聞社やTV放送局などがスポンサーを務める各種文化イベントが含まれている。
これらが何を意味するのかと言えば、ローマ市庁舎の面々の頭の中にある考えが渦巻いていると言うことで、それはつまり、
「日本人がローマの円形競技場『コロッセオ』の修復をしてくれるだろうか?」と言う考えなのだ。

文化財省のフランチェスコ・ジーロ次官はコロッセオについて、
「崩壊してきている。」と述べている。
時折、修復技術者やロック・クライマーがコロッセオに登っては、あちこち張付けてくるのだが事態は悪くなる一方だ。安全措置をはかり、修復・清掃作業をし、観光産業のためにもモニターや、音声ガイド、ヴァーチャル映像などで近代化させる必要がある。
「コロッセオのためだけでも最低1千万ユーロ(約13億4千万円)が必要なんです。」とジーロ次官は言う。
しかし、文化省からの予算は350万ユーロ(約4億7千万円)そこそこ。それもローマ市内の文化財エリアすべての予算なのだ。
つまり、パラティーノやフォロ・ロマーノ、ネロ帝の黄金宮殿などの遺跡にもあてがわねばならず、それらを合計すると6千万ユーロ(約80億4千万円)は必要になると言う。
さて、それでは足りない分はどこから出るのか?

前例はシスティナ礼拝堂
「まだ計画の段階ではありますが、ローマで言われているように我々は『良いお友達』でいるわけではありません。すでに何らかのコンタクトはありますから。来春、ジャンニ・アレマンノ市長が来日する際にははっきりするでしょう。」と、マウロ・クートゥルホ副市長は言う。
最近、80年代に日本がシスティナ礼拝堂の修復費として300万ドル寄付した件と比較されているようだが、このニュースは絶対なのだろう。
修復のための費用は出すが、それを宣伝するような広告は修復現場にも一切出さない。
日本人はそう言う嗜好なのだから、栄誉のために喜んでそうするのだろうし、『朝日新聞』『日経』などの新聞社や、『NHK』『フジテレビ』などTV局の名前が出てきていると言うことは、費用を出す代わりに修復作業の写真・映像を独占的に使いたいと言う経済的な側面もあるのかもしれない。
日本での商品価値は、それはかなりのものだろう。

管轄
しかし、ここでもう一つ疑問が出てくる。一体、なぜクートゥルホ副市長は国の管轄にある名所旧跡に資金をつぎ込もうとするのか?
「単純な話です。コロッセオは有名ですから。コロッセオのための資金があるなら、同じぐらい重要でもあまり一目を引かない修復工事の方に予算を回すことができますから。」と、ジーロ次官は説明する。
実のところ、ローマで何がどこの管轄に置かれているのかはカオス状態になっている。
例えば、考古学の学位を持っていない人にはこう説明するのが分かり易い。ヴェネツィア広場からフォーリ・インペリアーリ通りを抜けてコロッセオに向かった時、左側がローマ市の管轄で、右側が国の管轄。
ここに双方の文化財保護管が入り乱れているわけだ。現在は、おびただしい数の責任者らの間で仲介役をこなす臨時委員会があり、同プロジェクトはここから生まれている。

プロジェクト
1年間にコロッセオを訪れる観光客は4百万人。イタリアの名所旧跡の中で最多である。文化財省では、これを2倍にできないものかと画策しているのだ。ジーロ次官によれば、
「フォロ・ロマーノからパラティーノ、コロッセオを一括りした巨大なエリアを作って、入場券は10〜12ユーロ(約1,300〜1,600円)ぐらいにする。それで全部を観覧できるようにするんです。そうすれば、現在、遺跡の中を立入り禁止にするために付けている見苦しいチューブも外すことができますしね。今はコロッセオに入るまでに長々と行列を作らなければなりませんが、これからは変わりますよ。」

彫像の配置と壁の仕上げ工事
プロジェクトの企画は豊富にあり、ローマ文化財保護管であるウンベルト・ブロッコリ氏は、
「コロッセオ内の一画だけ壁の仕上げも復元し、アーチ内には彫像を配置して、かつてのコロッセオのようにするのです。」と夢を語る。
これら彫刻等一式は撤去が可能なものだとしても、純正主義者らは喜ばないであろう。また、現在、コロッセオ地下に猛獣用の檻や剣闘士らの控え室と共に木製の台座の断片があり、当時、この上で剣闘試合などが行われていたのだが、ブロッコリ氏はこの台座もかつてあった場所に配置したいと思っている。
一方、ジーロ次官は、コロッセオ内で足を踏み入れられるのは最低限度の箇所しかないことから、各部の安全規準を満たすことを重視している。

コロッセオ以外にも手をつけようと思えばきりがない。
考古学者であり、文化財最高評議会議長のアンドレア・カランディーニ氏の言葉を借りれば、
「パラティーノは、よく火の通っていない焼きプリンみたいに崩れてきている」のだ。
パラティーノの遺跡への修復工事の大半はティベリウス邸(フォロ・ロマーノ寄り)の特にテラス部分やアウグスティス邸(チルコマッシモ寄り)、ネロ帝の黄金宮殿、ドミツィアーノの階段、それから、フォロ・ロマーノからパラティーノの丘へと渡れる橋が通り抜けできない状態になっているので、これらが対象とされるだろう。
また、全区域とも安全な状態とは言えないうえ不衛生で、あちこちに放置された穴には水が溜まり、錆びた管、石綿スレートの屋根なども転がっている。
ルテッリ元文化財大臣やヴェルトローニ元ローマ市長が平均以上の仕事を果たしたとは言え、観光客の数で言えばローマはロンドンや、パリには及ばず、今やマドリッドやバルセロナにまで遅れをとっているのである。

現在、検討されているプロジェクトのためには数年が、そして多額の資金が必要となり、すべては個人出資者の肩にかかっている。
より確かな期待は日本に向けられているのだ。
コロッセオの修復を担い、工事が始まる前から撮影のためにやって来るであろう日本人らに。
(2009年9月19日 La Stampa)

 

 

この記事から察すると日本政府からお金が出るわけじゃないんでしょうが……。
あら、それとも、気前が良かった麻生政権時代に、いつもの大盤振る舞いでなんか約束したんでしょうかね…。

 

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