トレヴィの泉が遊園地と化す

ローマのトレヴィの泉と言えば、実際に行ったことのある読者の方も少なくないのでは。
フェデリコ・フェリーニの名作『甘い生活』の中でアニタ・エクバーグが、黒いドレスのまま噴水に入るのに憧れた方も中にはいるでしょうか。観光客にはそこまでできないし…なんて思っていたのは私だけなのか。
最近は、なんでも「有り」になってきてるみたいですよ。

 

 

ローマ 『トレヴィの泉、イースターの噴水のぼり』

「ほら、もうちょっと上に登って。そう、それで良いわ。じゃ、笑って。」
18世紀に創られたトレヴィの泉。その噴水を取りかこむ大理石の急斜面を、岩山を往く牡鹿のごとくよじ登る彼氏に向かって叫ぶ若い女性観光客。
一方、泉の反対側では水盤の内側まで伸びる大理石の縁石を、子供達が走り回っている。

これらすべては、常日頃、観光客の無作法を監視し、噴水への被害を退けるべき警察官らの眼前で繰り広げられた光景であるのだが、昨日の午前中、観光名所の『ふとどき者』を追い払うための警笛が鳴らされることはなかった。
祭日に、多くの観光客でローマが溢れかえり、考古学遺産や記念建造物が損壊されるかもしれない時に、最も力を入れられるべき警備…。

これまでは、明らかに何かの間違いだったのだ。
トレヴィの泉とはローマの重要名所の一つであり、永遠の都ローマのシンボルとして保護されるべきものであると言うのが一般的な意見である。防犯カメラで監視され、警官らが巡回して見守るべき噴水なのだ。
全てはおそらく、なにか大きな手違いによるものだったのだ。

昨日の朝に見るトレヴィの泉は、むしろアドベンチャー・ランドと言った趣きだった。大理石から大理石へと飛び移り、水槽スレスレに近寄ったり、壁面にぶら下がったり、常にない勇姿をおさめた写真を持ち帰るべくアルプス登山隊のごとく立ち向かったり…。
付近の喫茶店従業員によれば、
「広場を警備する警官はいたけど、めったに注意はしなかったですよ。」とのことで、多分、これまでにトレヴィの泉で起きた様々な出来事、いかにしてトレヴィの泉が真っ赤に染まったのかとか、いかにして多くの人々が噴水に飛び込んだのかについても説明がつくのだろう。

トレヴィの泉はバロックと古典が調和した傑作の一つであるが、かねてより損壊の危機にさらされている。
たとえば深夜、若者(特に外国人)らがここに集ってはビールに酔いしれ、付近の住民は、
「悪いことではないけど。ビール瓶を置きっぱなしにしないならね。ゴミ捨て場の名所じゃないんだから。」と言う。

騒ぎ声は、もちろん言うまでもない。付近の住民からは、
「夜遅くまで酔っぱらいの集団がうるさくて、眠れやしない。」と。
また、トレヴィの泉の周辺では昼夜、多くの物売りらが徘徊し、観光客相手にまがい物のバッグやら偽ブランドのサングラス、ベルト、アクセサリーを売りつけている。
これらはすべて、名所を守るべき警備の警察官らの前で起きていることなのだ。(2009年4月14日 記事:La Repubblica 写真:La Repubblica

 

 

記事を読んだ時にはイースターだけの観光客サービスなのかと思いきや、どうやら警備が手薄になってきているようですね…。
そう言えば、しばらく前から噴水内の小銭が大量に盗まれたり、前衛アーティストによって赤い塗料が投げ込まれたりと、事件が多いんですよ。


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