地震予知して告訴され…

6日未明にイタリア中部ラクイラ市で起きた地震については、日本各紙でも報道されているようですが、実は先月末ぐらいに、イタリア普通紙にラクイラ市界隈の大地震予測の記事が載っていたのを、チラッと見ていたんですよ。
それじゃ、なんで事前に何もできなかったのかと不思議に思っていたら……それどころか、予測した研究家の方は大変なことになっていました。

 

 

アブルッツォ 『地震専門家、警告して告訴される』

イタリア市民保護局のグイド・ベルトラーゾ局長は先月31日、『虚偽の情報を流して面白がっている馬鹿者ども』に対し激怒し、なんらかの処罰を求めていた。
この『馬鹿者ども』の中にはグラン・サッソ国立研究所の研究員ジャンパオロ・ジュリアーニ氏も含まれており、同氏は1ヶ月ほど前よりアブルッツォ地方における群発地震を観測し、3月29日に『壊滅的な』地震発生の恐れがあると警告していた。
なお、同警告を発したことでジュリアーニ氏は告訴されており、市民保護局のベルトラーゾ局長は、
「地震が予測できないものだってことは、みんなが知っている。」と主張していた。
また、今回のラクイラ市の地震を受けジュリアーノ氏は、
「地震が予測できないなんて嘘です。我々は予測しましたから。」と断言している。

告訴:『分かっていたはず』 − 今日、この惨劇を前にしてジュリアーニ氏は、苦々しくこう語る。
「私は明日にでも刑務所に入れられるかもしれないんです。しかし、地震が予測できないなんてことは嘘ですよ。10年も前から我々は100〜150km圏内の地震を予測に成功してきました。今回は3日前からラドン濃度が異常に上昇し、安全基準値を越えていたんです。ラドン濃度の急激上昇は、強い地震発生を意味します。昨夜、当研究所の地震計は強い揺れを感知していたし、オンライン上で公表していましたから、みんな見ることができたわけで、見ていた人も多数います。誰かが配慮して行動することはできたわけです。昨夜は我々も、人生で最も悲惨な夜を過ごしました。私も避難しなければならなかったのですよ。あの権威ある科学者の皆さん方は、地震が予測できることを分かっていたんです。」

警報 − 実は、今回地震が発生したラクイラ市の南方に位置するスルモーナ市で3月29日、マグニチュード4の地震が発生しており、この地震と先の『地震予知』がスルモーナ市および周辺の住民らの間にパニック状態を引き起していた。
ジュリアーニ氏は、岩石中に亀裂ができた際に地中から大気中に放出されるラドンの濃度で地震観測をしており、同氏はこの3月29日のスルモーナ地震の後、次の地震発生日時を詳しく警告していたが、地震は起きず…。その約1週間後に大地が揺れ動いてしまったわけで、現在は、大きな物議を醸している。
『地震が起きるぞ』と警告するのは確かに重要なことだが、それだけでなく、どこで、特に、いつ起きるのかを正確に告げるのも重要である。
実際に事が起きる前に、多くの住民を丸1週間も避難させるなどと言う事態を避けるためにも。(2009年4月6日 Corriere della Sera)

 

 

イタリアでは新聞、TVニュース共に地震関連一色になっております。
被災者の方々のインタビューで、「家がなくなってしまった…」とつぶやくおばあさんの姿などを目にすると、一緒になって泣けてしまいます。
なかには、一昨日、新しい家に引越ししたばかりで、それまでに住んでいた家が全壊しているのを見て、放心したようにインタビューに答えている男性もいました。


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5 Responses to 地震予知して告訴され…

  1. K  2009年4月7日 at 2:27 PM #

    初めまして こんにちは

    科学的根拠に基づいての地震予知できるんですよね なぜできないのか ずっと不思議だったので この情報を得て安心すると共に 日本政府の怠慢に怒りを感じています。 

    是非 ジュリアーノ氏を日本へ招待して 証明してもらいたいものですね。

    「正確に予知」にこだわるよりも 命が助かる可能性、方法として 防災準備(所謂キャンプ道具一式)をしておくべきだと思いました。

    亡くなられた方々のご冥福をお祈りします

  2. 神ならぬ身の… 2009年4月7日 at 3:15 PM #

    映画日本沈没(旧作)で、
    首都直下型地震の後、総理大臣が嘆く場面がありました
    「誰かが『東京に地震が来る』と騒いでいてくれたら、政府も渋々何らかの対策を…」

  3. chirico 2009年4月7日 at 5:29 PM #

    コメントありがとうございます。

    Kさま
    ジュリアーノ氏の件は、毎日新聞『イタリア地震:2月に「予言」市が封印 「パニック広がる」と、学者のHP閉鎖命令』にも詳しく報じられていますが、同じ地震国である日本としては、本当に招聘して講演でもしてもらいたいです。
    これを機に、イタリア政府や自治体のの対応が変わっていってくれることを望みます。

    神ならぬ身の…さま
    こちらの総理大臣は「対策不足を議論するより、救護作業をしようよ!」と言って、話をごまかしているようですが。もともと言い訳上手な人なんで、今後、追求された時に「もっとたくさんの学者が騒いでくれたら、政府も…」なんて言うかもです。

  4. MANTA 2009年4月9日 at 12:23 PM #

    詳しい情報を知ることができて勉強になりました。ちなみにこの方の予知は科学的根拠に基づいた地震予知とは言いません。途中までその理由を書きました。続きを今晩あたりにUPする予定です~
    http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2009-04-09

  5. chirico 2009年4月9日 at 4:46 PM #

    MANTAさま

    コメントありがとうございます。
    実は、イタリア各紙でもその後、「地震は予知できるか、どうか」と議論が続いていて、見出しだけ拾い読みして不思議に思っていました。
    続きを楽しみにしています。

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