ぬれぎぬレイプ犯、禍い転じて福となるか?

最近、イタリアではレイプ事件が多発していることは、同ブログでも何度か触れてきました。
特に、2月に起きた『ヴァレンタイン・デー 14才少女強姦事件』は、被害者の年齢や、また、事件発生が夕方6時で、2才年上の彼と自宅近くの公園をデート中だったと言う微笑ましい状況が、イタリア中を涙させ、犯人への怒りをいっそう募らせておりました。
すぐにルーマニア人2人が逮捕され、そのうちの1人からは自白が得られたものの、DNA検査では2人とも不一致…。事態は二転三転し、やっと真犯人が見つかった次第ですが、だから一件落着と言うわけにはいきません。
ぬれぎぬを着せられてしまったルーマニア人男性にとっては、禍い転ずるかどうかの瀬戸際であります。

 

 

ローマ『ラーツさんの釈放第1日目 “ 修道士になりたかったんだ ” 』

婦女暴行犯、通称『鼻曲がり』に間違われ続けた35日間。
現在は裁判官より釈放が言い渡され、すべての容疑が晴れたカロル・ラーツさん(ルーマニア出身)が、TV番組に出演して心情を激白した。
ローマのカッファレッラ公園と、同じくローマのプリマヴァッレ市で起きた2つの強姦事件の犯人はラーツさんではなかったのだ。ラーツさんの弁護士はえん罪による35日間の拘留に対し、賠償金を請求する予定でおり、また、ラーツさんは故郷ルーマニアには戻らず、このままイタリアに留まる意向だと言う。
少女強姦の汚名を着せられ不当に拘留されたにもかかわらず、「イタリアで生きてゆきたい。」と言うのだ。
「ルーマニア人の評判があまり良くないことは知っているけど、ここに居る方がいいんだ。できればパン屋の仕事を見つけてね。」とも。

「カッファレッラ公園には行ったこともない。」とラーツさんは誓って言う。
「どうしてロヨスが警察に、俺が強姦犯人だなんて言ったのか、まったく見当もつかない。ロヨスとは友達だったんだ。あいつに金をくれてやったこともある。あいつの頭の中を駆け巡ってたことなんて、俺には分からないよ。」
ヴァレンタイン・デー少女強姦事件を自白した真犯人のルーマニア人2人組についても、ラーツさんは無関係だと言う。
「連中のことは知らない。見たこともない。」

「修道士になりたかったんだ。」
ニュース討論番組『Porta a Porta(隣り合って)』のスタジオ内で、ラーツさんはローマ市長であるジャンニ・アレマンノ氏と固い握手を交わした。
そして、白いソファーに腰かけて微笑み、生後5ヶ月でルーマニアの孤児院に預けられた時の話を司会のブルーノ・ヴェスパ氏に語った。
「両親のことはまったく知らない。兄弟が7人いるんだけど、自分だけが孤児院に入れられたんだ。18才の時にそこを出て、それから修道院でパンやケーキを作って働いた。賃金はたまに払ってもらったけど、普段は食事と寝床が与えられただけだったよ。前科があるって言うのは本当のことじゃない。ルーマニアにいた時に列車に無賃乗車して、罰金を払わされただけさ。子供の時の夢は、修道士になって貞潔の誓いを立てることだったな。」

ロヨスは真犯人たちと知合いだった。
ラーツさんにぬれぎぬを着せたアレクサンドル・ロヨスの方は、いまだ拘留されたままである。ロヨスもまた、DNA検査の結果からカッファレッラ公園の強姦容疑が晴れたものの、当初、容疑を認めていたのはルーマニア警察に暴力を振るわれたためだと主張し、これが誹謗罪とみなされているのだ。ロヨスの釈放は見送られ、来週土曜日までには再審理の結果が出ることとなっている。
しかしロヨスは逮捕された翌日に、なぜ無実のラーツさんを強姦犯に仕立て上げたのかは深い謎につつまれているようだ。
ロヨスと真犯人の一人オルテアン・ガヴリラは知合いだった。二人は2007年にレジーナ・チェリ刑務所で、隣り合わせの独房に入れられている。
ロヨスが虚偽の証言を撤回して以来、仮説として言われてきたことだが、おそろく友人である真犯人が逃亡できるよう、時間稼ぎのためにラーツさんにぬれぎぬを着せたのであろう。(2009年3月24日 La Repubblica)

 

 

さて、イタリア中に顔が知れ渡った人間が人気番組で「パン屋で働きたい」と言ったのですから、何も起きないわけがありません。
すぐに某有名シェフから、
「うちのレストランで働きなさい!僕もえん罪で刑務所に入れられた経験があるんだよ!!」なんてサプライズ・オファーが飛び出したのですが、ナショナリズム漂う反対意見やら旅行代理店から「お宅の店にはもう観光客まわさないよ!」と脅され、あえなく断念。
しかし、ここで話が終わる国ではないのですよ、イタリアは!
当ブログでも『1軒120円の家』やら『ウンチの缶詰』などで記事を取り上げてきたイタリアのインテリ・ハマコーこと、ヴィットリオ・ズガルビ市長の登場であります。
本日は二本立てで、どうぞ。

 

 

サレーミ 『今度はズガルビ市長からラーツさんへ救いの手』

カロル・ラーツさんに仕事を提供していたシェフ、フィリッポ・ラ・マンティア氏が周囲の反対を受け、申し出を撤回したばかりだが、今度は美術評論家でサレーミ市長でもあるヴィットリオ・ズガルビ氏が救いの手を差し伸べてきている。
カロル・ラーツさんは、先月ローマで起きた14才少女強姦事件の犯人の1人として逮捕されていたが、その後、DNA検査の結果から無実が判明し、釈放されたルーマニア人男性。

『法の犠牲者』−「ラーツさんには当市が仕事を提供しましょう。これは主義と法の問題です。」と、サレーミ市長のズガルビ氏は言う。
「シェフのフィリッポ・ラ・マンティア氏には、同業者であるペランジェリーニ氏を通してお願いするつもりです。ペランジェリーニ氏はサレーミ出身で、開店を控えているレストランの補佐役ですから。」としながら、
「ラーツさんには市庁舎1階のスペースを提供しましょう。サレーミと言う寛容なる自由の町で働いていただけるようにね。ここはシチリアの歴史を彷彿させるように、この手のことに免疫性がありますから。」と話を締めくくっている。

はかなくも消えた夢 − このズガルビ市長からラーツさんへの申し出は、シェフのフィリッポ・ラ・マンティア氏の撤回宣言のあとに寄せられたものである。
とりあえず、マンティア氏がローマに4月開店のレストランで、ラーツさんが働くことはなくなったわけだ。
ラーツさんの雇用は、マンティア氏のもとで働く従業員らによって阻止されたのだった。(2009年3月28日 Corriere della Sera)

 

 

別の話になりますが、イタリアでいまだ裁判が続いている『ペルージャ外国人女子大生殺人事件』でも、えん罪で拘留され、毎日のようにTVニュースに犯人として顔写真が流れていた男性がおりました。
釈放後は、やはりトーク番組などに出て、あちこちから何らかのオファーがあったらしいのですが、その後、すべてうやむやとなり…。
不当拘留の損害賠償として51万6千ユーロ(約6千700万円)を請求したものの、結局、支払われたのは8千ユーロ(約100万円)のみでした。
この厳しいご時世、禍い転じて福となるような一発逆転劇が欲しいもんです。

 

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