マフィア、新ビジネスの敗北

1960年後半から70年代にかけてのイタリアでは、マフィアらによる営利誘拐が横行しておりました。
数年前に日本でも上映されたイタリア映画『ぼくは怖くない』などはその典型でして、映画自体はフィクションなんですが、当時、実際に誘拐された少年が解放された直後での記者会見で「ぼく、ぜんぜん怖くなかったよ。」とコメントしたのに触発されて書かれた小説がオリジナルとなっているんです。
そしてですね、最近、その営利誘拐ブームが復活しそうな動きがあったんですよ。

 

カルタニセッタ 『銀行家誘拐計画失敗、マフィア構成員7名と赤い旅団元メンバー逮捕』

営利誘拐への新たな恐怖:《コルレオーネのマフィアの新事業》

マフィア組織『Stidda』と関係を持つとされるグループによる、銀行家ジョヴァンニ・カルティア氏誘拐が計画されていた事実が明らかとなった。
容疑者らはカルティア氏の行動を調査、監禁場所なども手配し、誘拐計画は近日中に実行される予定であった。
監禁場所となる隠れ家はシチリア南部ラグーザ県コーミゾ市近くに手配され、カルティア氏の他にもシチリア南部ジェーラ市の実業家ヴィンチェンツォ・カヴァッラロ氏の誘拐が計画されていた。

カルタニセッタ県検察庁の判事らおよびジェーラ市警察により本日午前に保全拘留処分が下された容疑者8名には、『赤い旅団(70年代に結成されたマルクス・レーニン主義を掲げるイタリアの民兵組織)』の元メンバーも含まれている。なお、同処分はシチリアおよびその他2つの州内で実施された。
同誘拐計画は盗聴捜査により発覚、また、数年前に元マフィア構成員らが司法協力で明かした情報によると、以前よりシチリア・マフィアの間では人質誘拐が禁止されてきたが、コルレオーネのマフィア組織が有名実業家らを誘拐しての『犯罪ビジネス』を再開したがっていたとされている。
なお、容疑者らの起訴内容はマフィア組織および犯罪結社の結成、銃器類および爆発物の所持、営利誘拐などで、また、逮捕者全員に武装組織の構成員であったことが加重される。

今回の捜査はセルジオ・ラリ検察官らにより手配されており、誘拐計画に着手していたグループが接触していた『Stidda』とは、かつてニッセノ界隈でコーザ・ノストラ(シチリア・マフィア)と対立していた凶悪マフィア組織である。また、実業家誘拐計画の方は『赤い旅団』の元メンバー、カロジェーロ・ラ・マンティア(59才:カルタニセッタ県ソンマティーノ市出身、ジェーラ市在住)により実行される予定であった。
また本日、逮捕されたヴィンチェンツォ・ピストリット(41才:前科有)がグループを指揮していたとされ、ニッセノの実業家家族を誘拐する別の計画も立てられていたと言う。これら全ての誘拐計画は、カルタニセッタ検察庁による盗聴捜査によって発覚した。

『赤い旅団』の元メンバー、カロジェーロ・ラ・マンティアは、1970年代にミラノ組織の中核メンバーとしてテロ容疑で逮捕されており、服役後はジェーラ市に移り住んでいた。
起訴状によれば、銀行家カルティア氏の誘拐は感謝祭(4/12〜19)前に予定されていたとのことで、容疑者8名の保全拘留処分はカルタニセッタ県のボナヴェヌーラ予審判事による決定であるが、警察が現在までに同処分を通達しているのは7名のみで、残り1名はいまだ失踪中である。
今回の捜査によりイタリア南東部バーリ県のモドゥーニョ、クレモナ、ジェーラ、ラグザーノにおいて、強盗および営利誘拐をもくろむ新たな組織が形成されつつある事実が浮かび上がっている。
今朝、逮捕されたヴィンチェンツォ・ピストリットは司法協力による情報からも筋金入りの犯罪者であることが分かっており、ピストリット容疑者および共犯者らはプラスチック爆弾を使用しての強盗など、多岐に渡っての犯行計画を具体的に企てていたことが明らかにされている。
(2009年3月26日 La Stampa)

 

 

あのサルコジ仏大統領夫人のカーラさんも、70年代のイタリアの営利誘拐ブームを避けてフランスに移住したお嬢様だったんだそうですが。


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