安楽死より娯楽番組を優先、キャスター幻滅し辞職

ここ最近、イタリアで最も話題になっているニュースと言えば、「17年間植物状態の女性の安楽死」問題。
娘の安楽死を望む年老いたご両親 vs 安楽死を絶対に容認しないヴァチカンの戦い…。これにベルルスコーニ首相が加わって、安楽死を阻止する法案なぞを審議していたところに届いた訃報。
そして新たなニュースが、意外とところからも出てきました。

 

ローマ 『ゴールデンタイムに悲報の報道できず、ニュースキャスター辞職』

17年前に事故で植物状態となり、家族の要請で延命措置が停止されていたエルアナ・エングラロさん(38)が9日、入院先の病院で死亡した際に、RAI国営放送および一民法局では通常の番組編成を変え、エルアナさんに関する特別ニュース番組を放送したのに対し、ベルルスコーニ伊首相の息子であるピエロシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が経営する民放TV局メディアセットのメインチャンネルでは通常通り人気リアリティー番組『Grande Fratello(ビッグ・ブラザー)』を放送していた。
この件で、同チャンネルの報道番組で司会を務めるエンリコ・メンターナ氏が、明日、メディアセット社に辞表を提出する声明を出している。
メンターナ氏は辞職の理由について、
「国全体を揺るがした悲劇に関し、同チャンネルの各ニュース番組が特集を組む準備が整っていたにも関わらず、番組編成を変えない決定を下した同社に対する抗議」としている。
メンターナ氏が辞職について触れたコメントは次の通り。
「国の大手放送局が情報を提供すると言うのは、こう言うことではない。大切なのは視聴率だけなのか。このような選択をすれば信頼性が失われる。個人的に私は、そのような選択に関与する気はない。今夜、同チャンネルにとって劇的な出来事とは、リアリティー番組の出演者の1人が除外されることなのだ。深夜枠の私の番組で、エルアナさんについて取上げることとなるでしょう。とにかく、情報を提供すると言うのが本分ですから番組はやりますが、明日、私は辞表を出します。これは一貫性と言う別の本分のためです。」
(2009年2月9日 Il Messaggero)

 

 

このメンターナ氏、数年前にもベルルスコーニ首相を批判して担当していたニュース番組を降板していましたから、ついに堪忍袋の緒がキレた…ってところでしょうか。
ちなみに、一応、メディアセットでも、ゴールデン枠でエルアナさんの特集番組を組んだのですが、同局では3番手のチャンネルだったせいか視聴率は4.58%止まり。国営放送の特集番組の方は17.31%でした。
そして、予定通りに放送された人気リアリティー番組『Grande Fratello(ビッグ・ブラザー)』の方は、なんと31.78%と記録更新だったんだそうです。

 

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