『スラムドッグ$ミリオネア』の誤訳が人種問題に

ダニー・ボイル監督の新作『スラムドッグ$ミリオネア』と言えば、ゴールデングローブ賞では作品賞に輝き、アカデミー賞でも10部門にノミネートされている超話題作なんですが、こちらイタリアでもなにかと話題になってまして。
最近では同作品に出演していた子役達が今でもインドで極貧生活を送っていて、子役の両親が監督に抗議している…なんて記事も出ていましたが。

 

ミラノ 『誤訳に抗議:作品中の殺人者はインド統合主義者達なのに…』

超カルト映画『トレインスポッティング』で世界的に有名になったダニー・ボイル監督の新作『スラムドッグ$ミリオネア』のイタリア語吹替えに重大な翻訳ミスがあったとして、イスラム教徒知識層の会長で、上院憲法問題委員会の移民コンサルタントを務めるアーマッド・ジャンピエロ・ヴィンチェンツォ氏が、配給会社に対し抗議声明を出している。
問題となっているのは主人公らの母親が集団に襲われ撲殺されるシーンで、英語オリジナル版での「They are muslims, get them(イスラム教徒の連中だ。つかまえろ。)」と言うセリフが、イタリア語版では「Sono musulmani, scappiamo!(イスラム教徒の連中だ。逃げよう!)」と誤訳されている。
以下が、ヴィンチェンツォ氏からのコメントである。
「今回の誤訳は単純な人為ミスなのかもしれないが、Lucky Red社のようなきちんとした配給会社が、同作品中で殺人者とされているのがイスラム教徒ではなくインド統合主義者であると言うことを、公の場で明白にする気持ちもないことに当惑しています。別の状況下では即座にきちんとした釈明、謝罪状があるのですが、今回は当方からの抗議の電話にLucky Red社の広報が答え、デジタルプリントのコピーを訂正すると言うだけに終わっています。
私達はこのようなナショナリスト的、反イスラム教徒的な行動が、社会に及ぼす結果を心配しています。外国人=イスラム教徒と見なされがちですから、もはや移民全体への打撃であります。(気持ちを害されると言うことが)ほとんど当たり前になっているように思えます。」
(2009年2月4日 Corriere della Sera)

 

 

そう言えば、宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』のDVDのイタリア語字幕にも、プロの仕事とは思えないような誤訳がありました。意訳に失敗したとかじゃなく、完全に主語を取り違えちゃっていて。日本語の性質上、やっかいだったことは理解できるのですが、某イタリア人曰く、「イタリアではアマチュアのうちは良い仕事をするが、プロになってお金をもらうようになると手抜き仕事をする」と。

 

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