刑務所で暮らす子供59名

移民の多い国イタリアゆえの社会問題とも言えるでしょうか。
最近、日本も外国人による犯罪が増えているようですから、他人事ではなくなる日も来るのでは。

イタリア 『刑務所で服役している子供達』

おもちゃがいくつか、そして簡易ベッドではなく本物のベビーベッドがあるなら、恵まれている子供と言えるだろう。
それ以外の子供達は、大人と同様に扱われている。独居房の中で暮らし、「野外運動」「新人の入所」などの刑務所用語に慣れ親しみながら、刑務所の日程に沿った時間刻みの生活をしているのだ。
イタリアの刑務所内に拘留されている子供達。窃盗や麻薬密売で逮捕された母親を持つ子供達のことである。
生後1週間から3才まで。3才の誕生日にバースデーケーキのろうそくを吹き消すと、母親のもとから離され(法律で規定)親戚に預けられるか、母親が出所するまでいずれかの施設に入ることとなる。
信じがたいことに、刑務所内に拘留されている子供達の人数は定かにされていない。
弁護士でありながら、6年前より受刑者向けラジオ放送の進行役などを務めているリッカルド・アレーナさんが、次のように説明している。
「今のところ70名はいるはずですが、公式な数字ではありません。司法省から公表されているのは59名で、2008年6月30日より更新されていないのです。」
また、元機会均等政策担当大臣のアンナ・フィノッキアーロ氏は、
「刑務所内で暮らす子供達に関心をいだく人間は、本当にわずかしかいません。」と言う。
現在、民主党の上院議員団議長を務めるフィノッキアーロ氏は、2001年に「10才以下の子供を持つ女性が服役する場合、再犯の危険がないならば、刑務所以外の施設での服役を可能とする」旨の法律を承認している。
意図するところは素晴らしいが、8年たった現在、この法律はいまだに施行されておらず、子供達は刑務所内で暮らしている。
そう言えば最近、アンジェリーノ・アルファーノ司法大臣もまた、
「子供は刑務所にいるべきではない。子供のいる女性受刑者が、刑務所以外の脱走が不可能な施設で服役できるよう法律を改正する予定だ。」と保証していたが……きれいごとである。
イタリア全国でその手の施設は、たった一か所、ミラノにあるだけだ。
もうしばらくの間は、刑務所法第19条に甘んじるしかない。つまり、『規定の産科および託児所が設備され、母親受刑者とその子供の受け入れが可能な施設。母親受刑者と子供が利用する部屋は施錠されず、施設内エリアは移動可能とし、子供たちには年齢にふさわしい人格形成を促す娯楽、活動が保証されること。』と言うわけだが、法律通りにはゆかないもので、先のアレーナ弁護士は、
「イタリアで刑務所内に設営された託児所は16ヶ所だけです。そして刑務所の中ですから、叫んだり騒いだりするタイプの受刑者もいて、幼児や新生児が過ごすのにふさわしい環境とは言えません。」と認めている。
刑務所内で暮らす子供達は、皆一様である。例えば最近、サルデーニャ島のある社会党議員から、次のような報告があった。
「ナイジェリア人で1歳10ヶ月になるジョセフィーヌは、いまだに母親と共に刑務所内で過ごしている。母親は妊娠7ヶ月の時に麻薬で逮捕され、ジョセフィーヌには託児所に通う許可が与えられていない。刑務所は社会の不平等が描かれた縮図である。母親が外国人女性で保護してくれる弁護士さえいないから、その子供は刑務所内で過ごすこととなるのだ。」
フィノッキアーロ元機会均等大臣は、解決の糸口は地方自治体が握っていると言う。
「母親受刑者がより家庭に近い環境で子供と共に服役できる施設をつくるには、自治体が所有する不動産を利用すればいいだけです。」
成人受刑者にとって拘留経験がトラウマになりえるならば、子供にとってどうかは想像がつく。
30才のイタリア人女性が、ローマでの服役生活5年間について語ってくれた。拘留されたレビッビア刑務所には託児所があり、娘のキアラちゃんも共に入所していた。
「逮捕された時、娘はまだ生後5ヶ月でしたが、刑務所の中は普通の家とは違う、隔離された場所なんだってことがすぐ分かったようでした。笑わなくなって、いつも泣いているようになったんです。よく具合が悪くなって、1人で入院させられていました。母親受刑者は病院に付き添うことはできませんから。2才半までは言葉を話しませんでしたね。」
刑務所生活から解放されて、自由な子供になるまでは…と言うことである。
そのローマのレビッビアでは、施設がないゆえに15年前から『一緒に遊んで、育てよう』と銘打った活動がボランティアグループにより実施されている。グループの代表であり、かつてのフェミニスト、元DS党下院議員のレーダ・コロンビーニ氏は、次のように話している。
「クリスマス・パーティーをした時、21名の母親受刑者とその子供達が参加していました。アフリカ人が2名、イタリア人が3名、それからジプシーのロマ人達です。託児セクションに居住しているので、刑務所よりは過ごしやすく小庭やおもちゃもありますが、環境は常に制限されているし、刑務所の規則下におかれていますね。」
コロンビーニ氏らによる活動のおもな内容は、
「毎週土曜日、受刑者らの子供達を丸一日、戸外へと連れ出し、普通の生活を送らせます。夏は海へ、冬は山かプールですね。こうして子供達は、身体を動かして発散できるわけです。刑務所の中では無理ですよね。遊ぶ時間が少なくなるのが嫌で、お昼寝もしないんですよ。」
この他の活動内容として、子供達を外部の託児施設へと連れて行くと言うのもある。
「自治体のミニバスが使えるので、それで地区内にある3か所の託児所への送迎をしています。子供達は、見ていて不憫になりますよ。同年代の子供に比べて、ほとんど我がままも言わないし。」
また、子供達の瞳に、強い印象を受けると言う。
「普通の子とは違います。ずっと壁を見続けているんです。創造性も普通の子供に比べると、とても乏しいですね。」
コロンビーニ氏は、ある法案を国会に提出しているが、今のところ何ら回答は返って来ていない(2009年2月1日 Corriere della Sera)

 

 

ちなみに公表されている数字では、このほかに刑務所内で出産が予定されている新生児が36名いるんだそうです。

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