ヤクザの現況をイタリア紙が憂う

以前、知り合いのイタリア人から、「日本のヤクザはイタリアのマフィアと違って社会に容認されている」と言われたことがあります。ある新聞記事には「日本人はヤクザのことを必要悪と呼んでいる」とも書かれていました。
やっぱりマフィア犯罪に頭を抱えている国なだけあって、ジャパニーズ・マフィアの動向には常に関心があるみたいですよ。

東京 『YAKUZAの危機に国家が援助』

危機は相手を選ばず訪れる。マフィアへも然り。ただし、マフィアもまた相手を選んだことなどなかったが。
日本では公債が国内総生産の130%に相当し、イタリアよりも劣悪な状況にあるのだが、そのためYAKUZAまでもが平然と国からの援助を受けるための列に加わり、失業手当から公営住宅、可能ならば障害者手当までも受取っている。
昨今の経済危機のため請負契約がなくなり、高利の利息は以前のようには入らず、そして、みかじめ料は見るも無惨に減っているのだ。ダブルのスーツを着込み、機関銃を持ったYAKUZAの組員は9万人いると言う。コーザ・ノストラ(シチリア・マフィア)に比べればたいしたことはないが、それでも維持してゆくには大変な人数だ。
日本の読売新聞は、暴力団組員への受給は少なくとも2006年3月から行われていたと報じており、現在、厚労省では指定暴力団組員への支給を禁じ、返還請求も行っているが、既に支給された4億円のうち1,500万円しか取り戻せていない。また読売新聞によれば、暴力団員らへ実際に支給された額は公表された数字を上回り、総額5億円であろうとされている。
日本の極道研究家であるジェイク・エーデルスタイン氏は、「役所に対し、自分たちは福祉に対し権利があると証明するのは至極たやすいことです。収入が無く、税金を支払っていないことを示せば良いだけですから。」と話す。
“ OYABUN ”ことYAKUZAのボスの多くは、所得の申告をしていない。なかには、国からの援助を受取る目的で「組から追放された」と訴えでるボス達もいて、この際にも、国は元犯罪者らに援助を行っていたのである。
思うに、YAKUZAとは文字通り「役に立たないもの」を意味しており、ジャパニーズ・マフィアの支配者達はこの名の忌々しさを覆すために、権力の階段を昇っていったのだ。今や暴力団は日本だけでなく、南アメリカ、ヨーロッパ、フィリピンやオーストラリアへと散らばり、最近までは年間およそ1,500億円の収益を得てきた。
しかし、経済的な大揺れは東京の銀行に、そして、ジャパニーズ・マフィアとの黒いしがらみに打撃を与え、YAKUZAを陥れたのだった。日出ずる国は、債権者らにとっては大いに危険な国と化している。ムーディーズやスタンダード&プアーズにより、その格付けはスロヴァキアと同レベルにまで落とされ、ファーイースタン・エコノミック・レビューからは、その巨額な公債ゆえに『アジアのイタリア』と見なされたのだ。
しかし、YAKUZAにとっては問題ではなかったのだろう。いや、むしろ危機に見舞われたばかりの頃は、ビジネスや詐欺行為を海外へと移して収益を伸ばし、事態は上向きであったほどだ。
だが、今ではどちらを向いてもお先真っ暗。以前は、政府は目をつぶっていた。日本には犯罪結社による違法行為など存在さえしていないのだ。
YAKUZAは皆、まるでどこぞの企業のビジネスマンのように組の名前や役職が入った立派な名刺を持ち、高級車を乗り回し、上品なスーツにネクタイ姿で高価な指輪をはめ、ワニ皮のアタッシュケースを持ち歩いている。そして、アル・カポネや古来のサムライを多少彷彿させるような流儀。また、衣服の下には全身に入れ墨がほどこされ、その身体はまさに一つのアート作品であり、YAKUZAが死ぬと、皮膚を剥がしてタトゥー美術館に展示されるのだ。
YAKUZAには組合もあり、雲行きを良くもすれば悪くもしてきた。今は違うと言うのではなく、ただ、雲行きが変わっただけである。国はなお一層厳しくなった。法律を変え、売春や高利貸しを厳重に取り締っている。そのうえ最近は、チンピラ子分が犯した不法行為のためにボスを裁判にかけることも可能である。それもあって、ボスの中には己の前科を増やさぬよう、(絶対的な独裁者として)スターリン主義的な粛清を始めた者もいた。
危機に瀕している時はYAKUZAも同様。帆をたたみ、風が吹くのを待つしかない。(2009年1月23日 La Stampa)

 

 

入れ墨の皮膚を剥がして展示するって…『ブラック・ジャック』じゃないんでしょうかね。
ちなみに、オリジナル(多分)の読売新聞の記事「暴力団組員の生活保護不正受給94件…判明分だけで4億円」の方もどうぞ。
イタリア紙の記事の方で、読売新聞の内容と微妙に異なる箇所があったのですが、あえてそのまま翻訳しました。


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