叶わぬ恋を忘れるため…「自転車おじいさん」逝く

カターニアに住んでいる者ならば、一度はこの老人に遭遇しているはず…と言うほど、地元では有名な方だったようです。

カターニア 『なぞの自転車おじいさん逝く』


シチリア島にあるカターニアの町で「自転車おじいさん」を知らない者はいない。
オラツィオ・ディ・グラツィアさん(85才)は、来る日も来る日も20キロの道のりを自転車で通っていた。エトナ山の麓に位置するニコロージの町から海辺のカターニアまで、行きは下りで帰りは上り道。夏でも冬でも夜明けに家を出て深夜近くに帰宅し、わずかなパンとブドウを口にして眠りにつき、翌朝には再び自転車でこぎ出す。理由は誰も知らない。
そんな「自転車おじいさん」が、昨日4日、弟の家で息を引き取った。
かつてオラツィオさん本人が、「自転車は私の自由なんだ。誰にも分かりはしないさ。自転車は唯一私にとって必要なもので、私の人生なんだ。自分と自転車と、道と空、風……あとは何もいらない。」と語っていたことがある。
町の噂によれば、実は、オラツィオさんは自転車を駆ることで、かつての叶わなかった恋物語を忘れようとしていた…と言う。その昔、裕福な親戚に嫁がされそうになり自らの命を絶った16才の少女のことを。
カターニアの町の北方面では毎日、多くの人々が「自転車おじいさん」が道行く姿を暖かく見守っていた。
今日、オラツィオさんの訃報が地元紙に掲載され、町中の人々が涙している。(2008年11月5日 Il Messaggero)

 

イタリアの南部らしいエピソード、そのまんま映画のようですね。
ちなみに掲載紙の読者コメント欄では「ただ自転車こいでただけじゃない」と批判した投稿が、他の読者から一斉攻撃を受けていました。


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