イタリアお役所しごと

イタリアのお役所仕事の遅さ・融通のきかなさは筋金入りですが、あまりにも度がすぎると、さすがに剣よりも強い例のものが黙っていないようです。
本日は、イタリアとは思えない早業で「結果」が出るまでの2本立て記事、どうぞ。

ジェノヴァ 『市行政が障害者女性に立退き命令』

イタリア北部ジェノヴァの市行政当局は、公営住宅に住む重度障害者に対する近隣住民からの苦情を受け、この障害者に立退きを命じていることがわかった。
SAD(季節性の鬱病)およびバセドウ病の疾患により能力低下率74%の障害認定を受けているステファニアさん(42才)が「頻繁にパニック症状におちいり奇声を発している」との近隣住民からの訴えを受け、住宅を運営しているソーシャル・ハウジング事務局は、ステファニアさんと同居している母親のカーラさん(62才)に「当住宅より立退くか、もしくはステファニアさんを保護施設に収容するよう」通達していた。
専門家らによれば、ステファニアさんのケースは市当局が主張している「近隣住民に対する著しい反社会的行為」には該当しないとされ、母親のカーラさんも市当局の通達に従う意志はなく、州政府行政裁判所の判決にすべてを委ねている。
カーラさんらの弁護士ボナンニさんは、「近隣に住む方々の迷惑を考えれば、福祉の支援は必要でしょう。でも、弱者の権利も守られなければなりません。特にカーラさん達のように、20年間に一度の遅延もなく家賃を払い続けられている、きちんとした方々の場合は。」と語っている。(La Repubblica 2008年7月6日)

 
 …さて、ここまではむしろ「たわいのなくない話」なのですが、不思議なことに、実はこの件……同じ日のうちに(しかも日曜日だし)急展開、超特急スピード解決してるんです。では2本目、どうぞ。

ジェノヴァ 『障害者に立退き命令、市当局が撤回』

 当紙が掲載した記事により、ジェノヴァ市行政局内にちょっとした揺れが生じたようだ。
ソーシャル・ハウジング事務局の責任者であるブルーノ・パストリーノ評議員は今回の立退き措置について「たった今、報告を受けたばかり」としながら、当初は「立退き措置」そのものを否定し、その後、行政と保健局で交わされた書類でその言葉が使用されただけと弁明を変え、最終的には「立退き措置を撤回した」と述べながらも、「分別のない役所仕事のせいだ」と言い添えている。(La Repubblica 2008年7月6日)

 

言い訳しまくりだったパストリーノ評議員さん、ほかにも「行政の門はつねに弱き者のために開かれている」とか、「役所の手が届かないところに政治の良識が届いた」などなど、歯の浮くような名言を飛ばしたようですが、ご近所の皆さんへのフォローが終わってから大風呂敷を広げた方がいいのでは…。
ここの住宅の壁も薄いそうですからね。


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